複数のYouTube動画キャンペーンを同時に走らせると、ひとりのユーザーに広告が何回届いているかを把握しづらくなります。キャンペーンをまたいだフリークエンシーの管理は、ブランド広告の運用で長く課題になってきました。
Google広告は、この課題に応える機能として「動画キャンペーングループのリーチ&フリークエンシー最適化」を発表しました。複数の動画キャンペーンをひとつのグループとして束ね、グループをまたいでリーチと接触回数を調整できます。現在、Google広告でグローバルに提供されています。
フリークエンシー管理がなぜ重要か
フリークエンシーとは、ひとりのユーザーに広告が表示される回数のことです。この回数は、高すぎても低すぎても効率を損ないます。
高すぎると、ユーザーは同じ広告に飽きて、離脱しやすくなります。投資に対する効果も逓減します。低すぎると、ブランドを印象づける機会を取りこぼし、認知の獲得が進みません。
複数のキャンペーンを個別に運用していると、それぞれのフリークエンシーは制御できても、ユーザー1人が受け取る合計回数は見えにくくなります。キャンペーンをまたいで管理する仕組みが求められていました。
発表された機能でできること
今回の最適化は、複数の動画キャンペーンをまたいでリーチとフリークエンシーを調整します。Googleは3つの価値を挙げています。
グループ単位でフリークエンシーを調整すると、その水準を保ちながらリーチが広がるように配信が最適化されます。個々のキャンペーンをひとつずつ手で調整するのではなく、グループ全体をまとめて扱える点が特徴です。統合レポートにより、複数キャンペーンにまたがる到達状況を一目で確認できます。

最適フリークエンシーの目安
Googleは、フリークエンシー設計の根拠として自社のMeridian(MMM)調査に言及しています。この調査では、最適なフリークエンシーが週2.7回のとき、ROIが19%向上したと報告されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 最適フリークエンシー | 週2.7回 |
| ROIへの効果 | 19%の向上 |
| 調査手法 | Meridian(マーケティングミックスモデリング) |
| データ範囲 | 米国の約600ブランド/2023〜2025年 |
接触回数を無制限に増やすのではなく、成果が最大化する水準を見極めて配信する。この機能は、その考え方をキャンペーンをまたいで実装するための仕組みといえます。
Display & Video 360にも近日展開
Googleは、これらの機能をDisplay & Video 360の広告主にも近日提供すると告知しています。DV360では、複数のYouTubeラインアイテムをまたいでリーチとフリークエンシーを調整できるようになる見込みです。
大規模なブランドキャンペーンをDV360で運用している広告主にとっては、プラットフォームをまたいだフリークエンシー管理の選択肢が広がることになります。
運用への示唆
この機能が効くのは、複数の動画キャンペーンを並行して走らせているケースだと考えられます。商品ラインごとや訴求軸ごとにキャンペーンを分けている場合、ユーザー1人あたりの接触回数が想定以上に膨らんでいることがあります。
ブランド認知を目的とした動画施策では、リーチの広さと接触回数のバランスが成果を左右します。キャンペーンをまたいだフリークエンシーの上振れに心当たりがあるなら、グループ化による最適化を試す価値があります。一方で、単一キャンペーンのみの運用や獲得目的の運用では、恩恵は限定的です。
始め方
動画キャンペーングループのリーチ&フリークエンシー最適化は、Google広告でグローバルに提供されています。利用を検討する場合は、Google広告の管理画面で設定を確認するか、最新の提供状況をヘルプで確認してください。
複数の動画キャンペーンを運用している広告主にとっては、フリークエンシーの管理をキャンペーン単位からグループ単位へ引き上げる選択肢が加わりました。ブランド広告の効率を見直すきっかけとして押さえておきたい機能です。
関連ガイド
- YouTube広告の基礎ガイド - 配信面・フォーマット・キャンペーン設計の全体像
- YouTube広告の効果測定ガイド - リーチ・フリークエンシーなどの指標の見方
- 動画広告の基礎ガイド - 動画クリエイティブと配信の考え方
- デマンドジェネレーションキャンペーンガイド - 動画を含む需要創出型キャンペーンの設計