2026年6月のDemand Genアップデート全体像
Google広告のDemand Genキャンペーンに、2026年6月のアップデートで3つの新機能が加わりました。動画サイズの自動変換、Geminiによるクリエイティブ改善提案、そしてWeb経由のアプリインストール計測です。いずれもクリエイティブ制作の効率化や成果の可視化に直結します。
Googleは「Demand Gen Drops」と呼ばれるシリーズで、Demand Genキャンペーンの機能を段階的に拡張しています。今回はその第10弾として、クリエイティブ制作と成果計測の2領域が強化されました。
背景にあるのは、YouTube面でのDemand Genの存在感の高まりです。Googleが引用するMeasured社の調査によれば、YouTube上の増分コンバージョンの72%が新規顧客から発生しています。増分コンバージョンとは、広告がなければ発生しなかった純粋な増加分を指します。新規開拓チャネルとしての重要度が増す中、Googleは運用効率と計測精度を底上げする3機能を追加しました。
| 機能 | 概要 | 提供状況 |
|---|---|---|
| 動画サイズの自動変換 | 縦型・正方形・横型を相互に変換 | 近日提供開始 |
| Geminiクリエイティブ提案 | 画像・動画の改善点をAIが提示 | 近日提供開始 |
| Web to App計測 | Webキャンペーンからのアプリ獲得を可視化 | 提供中 |
Demand Genの動画サイズ自動変換が拡張
YouTube、Discover、Gmailなど、Demand Genの配信面ごとに推奨される動画サイズは異なります。これまで複数サイズの動画を用意するには、編集ソフトで個別に書き出す必要がありました。
対応する変換パターン
今回の拡張で、以下3パターンの変換が利用可能になります。
| 変換元 | 変換先 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 縦型(9:16) | 正方形(1:1) | Discover・Gmail面への展開 |
| 縦型(9:16) | 横型(16:9) | YouTubeインストリーム(動画再生前後の広告枠)での配信 |
| 正方形(1:1) | 横型(16:9) | YouTubeインストリーム面での配信 |
自動変換で制作工数はどう変わるか
縦型1本の動画素材があれば、正方形と横型の2バリエーションを自動で生成できます。3サイズ分の書き出しが1回のアップロードで完了するため、動画編集の手間が大きく減ります。
ただし、自動変換はフレーミングの調整にとどまる点には注意が必要です。テロップの位置や被写体の配置次第では、変換後に意図しないトリミングが生じる可能性もあります。変換結果のプレビュー確認は欠かせません。
Demand GenにGeminiのクリエイティブ提案機能が追加
「クリエイティブを改善したいが、何をどう直せばよいか分からない」。そんな場面で役立つのが、Geminiによるクリエイティブ提案機能です。
提案が表示されるタイミングと内容
提案が表示されるのは、キャンペーン公開前にアセットを選択・設定するタイミングです。画像や動画を登録する際、YouTube面での効果を高めるための改善ヒントをGeminiが自動で提示します。
正式リリース前のため、提案内容の詳細は限定的です。Google公式ブログではYouTube向けのクリエイティブ最適化に焦点を当てた機能と説明されています。冒頭5秒以内に商品を見せる構成や、テキストの視認性改善といったヒントが中心になると考えられます。
AI提案を活用するときの注意点
Geminiの提案は一般的な傾向に基づくものです。自社の商材やターゲット層に合致するかは、運用担当者の判断が求められます。
提案をそのまま採用するのではなく、ABテストの仮説として取り入れるのが実務的な活用法でしょう。「Geminiが提案した構成A」と「従来の構成B」を比較検証することで、データに基づいた改善が可能になります。
Demand GenがWeb経由のアプリインストール計測に対応
Demand Genキャンペーンに「Web to Appアクイジション計測」(以下、Web to App計測)が加わりました。Webサイト向けのキャンペーンを経由して発生したアプリインストールを追跡できる仕組みです。
計測の仕組み
従来、Webキャンペーンとアプリインストールは別々に計測されていました。ユーザーがWeb広告をクリックしてサイトを訪問し、その後アプリをインストールしたとします。この一連の行動を紐づけて、広告の成果として記録できるようになります。
Web広告がアプリの新規獲得にどれだけ貢献しているか。その全体像を把握できるのがこの機能の価値です。なお、計測にはFirebaseまたはサードパーティ計測ツールとの連携が必要です。
導入を検討すべきアカウントの条件
特に有効なのは、ECサイトとアプリの両方を運営している事業者です。Webで商品を閲覧したユーザーがアプリをインストールし、アプリ経由で購入する導線が想定できる場合に効果を発揮します。
一方、アプリを提供していない事業者や、Webとアプリが別事業として独立している場合は優先度が下がります。
Demand Genの新機能をどう優先づけるか
3機能はそれぞれ異なる課題を解決します。自社のアカウント状況から、どの機能の優先度が高いかを判断しましょう。
| 機能 | 優先度が高い条件 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 動画サイズ自動変換 | 動画素材があるが配信面を絞っている | 制作工数を抑えて配信面を拡大 |
| Geminiクリエイティブ提案 | クリエイティブ改善の仮説が不足している | ABテストの起点として活用 |
| Web to App計測 | ECサイトとアプリを両方運営している | 広告投資の全体像を可視化 |
動画自動変換は、制作リソースの制約から配信面を絞っていたアカウントで即効性があります。Gemini提案はすべてのアカウントで活用できますが、提案を検証する体制があるかがポイントです。Web to App計測は対象が限られるものの、該当する場合は早めの導入を検討する価値があるでしょう。
まとめ
2026年6月のDemand Gen Drops第10弾では、動画サイズの自動変換、Geminiによるクリエイティブ提案、Web to App計測の3機能が追加されました。動画変換とGemini提案は近日提供開始予定、Web to App計測はすでに利用可能です。
まずはWeb to App計測の設定状況を確認しましょう。動画変換とGemini提案は、リリース後に管理画面で利用できるようになった段階で検証を始めるのがおすすめです。