何が変わったか:移行スケジュールの延期
Googleは2026年6月、DSA(動的検索広告)からAI Max for Searchへの自動移行時期を2026年9月から2027年2月に延期すると発表しました。 任意移行期間が約5ヶ月延長されたことで、テストと検証に使える時間が増えています。
当初2026年9月に予定されていた自動移行が延期された背景には、広告主からのフィードバックや移行準備の複雑さがあると見られています。 ただし、移行そのものがなくなったわけではありません。延期を「猶予期間」として活用することが重要です。
DSAとAI Maxの主な違い
DSAとAI Maxは、どちらもURLをクロールして広告を自動生成する点では共通しています。 ただし、AI Maxはより広範なAI機能と組み合わさっており、動作の仕組みが異なります。
| 比較項目 | DSA | AI Max |
|---|---|---|
| ターゲティング | ウェブサイトのクロール | クロール+検索意図のAI解釈 |
| 見出し生成 | 自動(ページタイトルベース) | AIによる動的生成 |
| マッチタイプ | DSA専用 | ブロードマッチと統合 |
| URLルール | ページグループ単位 | URLパラメータ付きで詳細設定可 |
| レポート | 検索語句レポートあり | 検索語句レポートあり |
AI Maxではブロードマッチとの組み合わせが前提となるため、除外キーワードの管理が従来以上に重要になります。 また、クリエイティブの自動生成範囲が広がることで、ブランドトーンの管理にも注意が必要です。
先行移行が推奨される2つの変更
延期発表と同時に、Googleは一部の機能については先行移行を推奨しています。 特に「自動作成アセット(ACA)」と「ブロードマッチへの切り替え」は、AI Maxの効果を引き出すうえで前提となる設定です。
ACA(自動作成アセット)の有効化手順
- Google広告管理画面 → 対象キャンペーンを選択
- 左メニュー「設定」→「キャンペーン設定」
- 「広告のローテーション」セクション内の「自動作成アセット」をON
- アセットのプレビューで意図しない表現が含まれていないか確認
ブロードマッチへの段階的移行
ブロードマッチへの移行は、スマート自動入札(目標CPA・目標ROAS)との組み合わせが前提です。 手動入札のままブロードマッチに切り替えると、意図しないクエリへの配信が増加するリスクがあります。
- 対象キャンペーンの入札戦略を「目標コンバージョン単価」または「目標広告費用対効果」に変更
- 一部のキーワードをブロードマッチに変更(全件一括変更は避ける)
- 1〜2週間の学習フェーズを経て、検索語句レポートで配信品質を確認
- 問題がなければ残りのキーワードを順次移行
任意移行期間中にテストすべきポイント
2027年2月までの期間は、自分のペースでAI Maxの挙動を検証できる貴重な時間です。 以下のチェックリストを参考に、優先度の高い項目から着手してください。
| 確認項目 | 推奨タイミング | 備考 |
|---|---|---|
| 除外キーワードリストの整備 | 移行前(必須) | ブロードマッチ拡張に備える |
| ACAの有効化と生成内容確認 | 今すぐ | ブランドトーンの逸脱に注意 |
| URLパラメータルールの設定 | 移行前 | 特定ページへの配信制御に使用 |
| コンバージョン計測の精度確認 | 移行前(必須) | AI最適化の精度に直結する |
| 検索語句レポートのベースライン取得 | 移行前 | 移行後との比較に活用 |
| ブロードマッチの段階的テスト | 移行と並行 | 一部キーワードで先行テスト |
移行後のモニタリング体制
AI Maxへ移行した後も、一定期間は従来の指標と比較しながら運用することが重要です。 特に移行直後は学習フェーズに入るため、短期的な数値の変動に過剰反応しないことが大切です。
移行後に確認すべき主な指標は、検索語句の品質(関連性の高いクエリが配信されているか)、CVR、そしてCPAです。 DSA時代のベースラインデータを事前に記録しておくことで、移行後の変化を定量的に評価できます。
まとめ
- DSAからAI Maxへの自動移行は、2026年9月から2027年2月に延期された
- 延期はあくまで猶予期間であり、自動移行そのものはなくなっていない
- ACAの有効化とブロードマッチへの段階的移行は、今から先行して対応できる
- 移行前に除外キーワードの整備とコンバージョン計測の精度確認を必ず実施する
- 移行後は学習フェーズを考慮し、1〜2週間は大きな設定変更を避ける
- 移行前のベースラインデータを記録しておくと、移行後の評価がしやすくなる
まず試すべき1アクション: Google広告管理画面でDSAキャンペーンのACAを有効化し、生成されたアセットの内容を確認してください。ブランドに合わない表現が含まれていれば個別除外し、問題がなければそのまま配信データの蓄積を開始できます。これが最もリスクの低い最初の一歩です。