この記事でわかること
Google広告の検索キャンペーンが2026年9月1日から順次AI最大化設定(AI Max)へ自動アップグレードされます。対象は「AI最大化設定がオフのまま従来型の自動作成アセットを使っている」キャンペーンです。検索語句とのマッチングを広告グループ単位で止める手順、テキストに関するガイドラインによる文言制御、移行日時をAPIで特定する方法まで整理します。
生成AIによる要約
Google広告の検索キャンペーンが、2026年9月から順次「AI最大化設定」へ自動アップグレードされます。Googleは8月12日、Google Ads Developer Blogの記事「Migrate Campaign-level Broad Match and Automatically Created Assets to AI Max」で技術的な詳細を公開しました。Search Engine Landが8月14日に報じたスケジュールも、この内容にもとづいています。
対象は、従来型(standalone)の自動作成アセット、またはキャンペーンレベルのブロードマッチ設定を使っているキャンペーンです。ここで重要なのは、すでにAI最大化設定がオンでテキストのカスタマイズを使っているキャンペーンは対象外という点です。それらはすでにAI Maxだからです。この見分け方を最初に押さえないと、洗い出しの段階で対象を広く取りすぎます。
延期が発表されていたのはダイナミック検索広告(DSA)の移行で、こちらは2027年2月のままです。今回の9月移行はその前段にあたります。この記事では、対象の見分け方、アップグレード後に何が有効になるか、そしてキャンペーン単位と広告グループ単位という2つの階層での止め方を整理します。
何が起きるのか|9月1日から段階的に自動アップグレード
Search Engine Landによると、スケジュールは次のとおりです。
9月の移行は1日から30日にかけて段階的に進みます。対象アカウントにはメールで通知が届きます。ブランドの登録・除外の設定は、どちらもそのまま新しいAI最大化設定の構成に引き継がれます。キャンペーンは同等のAI最大化設定に置き換える形で移行され、成果への影響を最小化する設計だとされています。
2026年8月3日以降、従来の構造では新しくキャンペーンを作れなくなっています。管理画面・Google Ads Editor・APIのすべてで停止しており、これはDeveloper Blogに明記されています。
また2026年9月には、DSAを使うアカウント向けに管理画面内での通知も始まる予定です。
用語が変わっている|自動作成アセットは「テキストのカスタマイズ」
移行の話を追う前に、名称の変更を押さえておく必要があります。管理画面の表記が変わっているため、以前の記事や社内ドキュメントと突き合わせるときに混乱しやすい部分です。
| 以前の名称 | 現在の日本語UIでの表記 |
|---|---|
| 自動作成アセット(ACA) | テキストのカスタマイズ |
| ブロードマッチ(キャンペーン設定) | インテントマッチ ※1 |
| AI Max for Search campaigns | AI最大化設定 |
※1 UI表記は統一の途中にあり、ヘルプ内には「部分一致のキャンペーン設定」という記載が残っている箇所もあります。ドキュメントを横断して読むときは、同じものを指していると思って読んでください。
Google広告ヘルプによると、自動作成アセットは2025年5月以降「テキストのカスタマイズ」という名称になり、AI最大化設定のなかに統合されています。
AI最大化設定は、いくつかの機能をまとめた設定群です。ヘルプに記載されている構成要素は、検索語句とのマッチング、テキストのカスタマイズ、最終ページURLの拡張、関心対象地域、ブランド設定などです。
アップグレード後に何が有効になるか
Search Engine Landによると、アップグレード時に有効になる機能は、元の設定によって変わります。
| 移行前の設定 | 検索語句とのマッチング | テキストのカスタマイズ | 最終ページURLの拡張 |
|---|---|---|---|
| 従来型の自動作成アセットを使用 | 有効になる | 有効になる(継続) | 有効にならない |
| キャンペーンレベルのブロードマッチを使用 | 有効になる | 有効にならない | 有効にならない |
まず安心材料から。最終ページURLの拡張は、どちらのケースでも有効になりません。移行によってランディングページが勝手に差し替わることはない、ということです。移行を知らされた運用者が最初に心配する点なので、ここは押さえておいてください。
一方、注意すべき点は表の左列がどちらであっても、検索語句とのマッチングが有効になることです。ここを条件付きだと読み違えると、判断を誤ります。
自動作成アセットを使っていたキャンペーンでは、アセットの自動生成に加えて配信対象そのものが広がります。アセットの自動生成を許容していたことと、キーワードを超えたマッチングを許容することは、本来は別の判断です。
そして、変化がより大きいのはブロードマッチ組のほうです。「もともとブロードマッチだったのだから配信面は変わらない」と考えたくなりますが、検索語句とのマッチングはブロードマッチの技術に加えて、アセットやランディングページの内容にもとづく拡張を使います。キーワードという起点そのものを離れる、という点で従来のブロードマッチとは質が違います。この群こそ、移行後の検索語句レポートを見る必要があります。
Googleは、広告主が既に使っている機能を引き継ぎながら新しいAI基盤へ移すことで、移行を滑らかにする狙いだと説明しています。ただし実際の配信では、どちらの群でも検索語句のレポートに見慣れないクエリが増える可能性があります。
止め方は2つの階層に分かれている
自動アップグレードそのものを止める手段は案内されていません。ただし、アップグレード後に個別の機能をオフにすることは可能です。ここで押さえるべきは、2つの機能が別の階層で管理されていることです。
| 止めたいもの | 設定する階層 | 影響 |
|---|---|---|
| 検索語句とのマッチング | 広告グループ | その広告グループがキーワードとマッチタイプどおりの配信に戻る |
| テキストのカスタマイズ | キャンペーン | 自動生成アセットが配信されなくなる |
配信対象が広がるほうの機能、つまりリスクの大きいほうがキャンペーン設定ではなく広告グループ設定にある点が、実務でいちばん引っかかるところです。キャンペーン設定の画面をいくら探しても見つかりません。
検索語句とのマッチングを止める
AI最大化設定を有効にすると、キャンペーンに対して検索語句とのマッチングが有効になります。これを個別に切るのは広告グループ単位です。
- 対象のキャンペーンから広告グループの一覧を開く
- 広告グループの設定を開く
- 「検索語句とのマッチング」をオフにする
- 保存する
オフにすると、その広告グループはキーワードとマッチタイプに厳密に従った配信に戻り、アルゴリズムによる拡張が止まります。なお、広告グループ単位でこの設定を扱うには、キャンペーン側で有効になっている必要があります。全体を止めたいのか、特定の広告グループだけ止めたいのかで、触る場所が変わります。
テキストのカスタマイズを止める
こちらはキャンペーン設定です。
- キャンペーンの設定を開く
- 「AI最大化設定」のセクションを開く
- 「テキストのカスタマイズ」のチェックボックスをオフにする
- 保存する
無効にすると、自動生成されたアセットは広告で配信されなくなります。あわせて覚えておきたいのは、最終ページURLの拡張はテキストのカスタマイズが有効であることが前提という関係です。テキストのカスタマイズを無効にすれば、最終ページURLの拡張も無効になります。今回の移行では最終ページURLの拡張は有効になりませんが、後から自分でオンにする場合はこの依存関係が効いてきます。
文言を制御する第三の選択肢
薬機法や景品表示法の対象になる商材では、生成されたアセットの文言そのものが問題になります。ここで「個別のアセットを除外するか、機能ごとオフにするか」の二択で考えてしまいがちですが、その中間にテキストに関するガイドライン(ベータ版)があります。テキストのカスタマイズが有効な状態で、生成される文言に制約をかける機能です。
| 種類 | 上限 | 適用範囲 |
|---|---|---|
| 除外する語句 | キャンペーンごとに最大25個 | 言語ごと。英語の語を除外しても日本語の同義語は防げない |
| メッセージの制限 | キャンペーンごとに最大40個 | キャンペーンが生成する全言語に適用される |
日本語のアカウントで効かせたいなら、メッセージの制限のほうが本命です。除外する語句は言語固有で、英語で「Cheap」を除外しても日本語の「激安」は止まりません。一方でメッセージの制限は自然な文章で「避けたい概念・トーン・内容のカテゴリ」を指示でき、その指示を英語で書いた場合でも全言語の生成に適用されます。効能効果の断定表現や最上級表現を避けたい、といった薬機法・景表法の要求は、概念として書けるこちらのほうが表現しやすいはずです。
規制商材での判断は、次の順で考えると整理しやすくなります。生成そのものを許容できないならテキストのカスタマイズをオフ。文言の方向性を制御できれば足りるならメッセージの制限。特定の語だけ確実に避けたいなら除外する語句を併用する、という順序です。
なお、AI最大化設定にはこのほかにも、ブランドの登録・除外、URLの登録・除外といった制御があり、それぞれ「どの設定が有効なときに使えるか」という依存関係を持っています。移行後の制御手段はAI最大化設定の制御手段まとめで体系的に整理しています。
9月までに確認しておくこと
残り期間は多くありません。優先度の高い順に整理します。
- 対象キャンペーンの洗い出し: 条件は「AI最大化設定がオフの状態で、従来型の自動作成アセット(=現UIのテキストのカスタマイズ)またはキャンペーンレベルのブロードマッチが有効」です。AI最大化設定がすでにオンのキャンペーンは対象外なので、この条件を外すと洗い出しに偽陽性が混ざります
- 移行日時の特定: 通知メールで予定日を把握します。APIを使えるなら後述の方法でキャンペーン単位の日時が取れます
- 除外キーワードの点検: 検索語句とのマッチングが有効になる前提で、除外リストを見直す
- ブランド設定の確認: ブランドの登録・除外は引き継がれますが、移行後に実際の設定を確認する
- 成果のベースライン取得: 移行前の獲得単価とコンバージョン数を、キャンペーン単位で記録する
ベースラインは「9月1日前」では足りない
5番目には落とし穴があります。移行は9月1日から30日にかけて段階的に進むため、「9月1日より前の数字」だけを控えても、各キャンペーンが実際にいつ切り替わったかが分かりません。9月24日に移行したキャンペーンを9月全体で見れば、移行前後が混ざった平均になります。
Google Ads APIを使える環境なら、キャンペーン単位の移行日時を取得できます。API v25.1(2026年8月19日リリース)で、campaign.aca_migration_date_time と campaign.broad_match_migration_date_time の2つのフィールドが追加されました。いずれも読み取り専用で、アカウントのタイムゾーンでのタイムスタンプが返ります。
この日時を取ってキャンペーンごとに前後で区切れば、移行の影響を正しく比較できます。APIを触らない場合は、少なくとも移行通知のメールに書かれた予定日をキャンペーン単位で控えておいてください。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時期 | 2026年9月1日から30日にかけて段階的に |
| 対象 | AI最大化設定がオフで、従来型の自動作成アセットまたはキャンペーンレベルのブロードマッチを使う検索キャンペーン |
| 有効になる機能 | 検索語句とのマッチング(自動作成アセット利用時はテキストのカスタマイズも継続) |
| 有効にならない機能 | 最終ページURLの拡張(どちらのケースでも) |
| 引き継がれる設定 | ブランドの登録・除外 |
| 無効化 | 検索語句とのマッチングは広告グループ設定、テキストのカスタマイズはキャンペーン設定 |
| 文言の制御 | テキストに関するガイドライン(除外する語句25個・メッセージの制限40個) |
| 移行日時の特定 | API v25.1の campaign.aca_migration_date_time / campaign.broad_match_migration_date_time |
| DSAの移行 | 2027年2月(1月15日に最終通知、2026年9月に管理画面内通知) |
まず試すべき1アクション: 管理画面でキャンペーン一覧を開き、AI最大化設定がオフのままテキストのカスタマイズまたはキャンペーンレベルのブロードマッチが有効になっているキャンペーンを洗い出してください。AI最大化設定がすでにオンのものは対象外です。そのうえで、移行前の獲得単価とコンバージョン数をキャンペーン単位で控えておくと、9月以降の変化を切り分けられます。
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参照元
- Migrate Campaign-level Broad Match and Automatically Created Assets to AI Max - Google Ads Developer Blog
- Google sets AI Max migration timeline for Search campaigns - Search Engine Land
- Google to auto-upgrade automatically created assets to AI Max - Search Engine Land
- 検索キャンペーン向け AI 最大化設定の仕組み - Google 広告 ヘルプ
- 検索キャンペーンでテキストのカスタマイズを有効または無効にする - Google 広告 ヘルプ
- AI 最大化設定を設定する - Google 広告 ヘルプ
- テキストに関するガイドラインを使用する(ベータ版) - Google 広告 ヘルプ
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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