この記事でわかること
Google広告のAI最大化設定(AI Max)で使える制御手段を、検索語句・広告文・遷移先・ブランドの4系統に分けて整理します。どの設定がどの階層にあり、何が有効なときだけ使えるのかという依存関係を先に押さえることで、移行後に「設定が見つからない」状態を避けられます。
生成AIによる要約
AI最大化設定(AI Max)の制御手段は、機能の数だけでなく依存関係が分かりにくいところに難しさがあります。管理画面を探しても設定が見つからない、という状況の多くは、機能が存在しないのではなく「前提となる別の設定がオフだから表示されていない」ために起きます。
この記事は、移行や有効化を終えたあとに開く前提のリファレンスです。制御を4つの系統に分け、それぞれがどの階層にあり、何を前提とするかを整理します。
制御は4系統に分かれている
| 系統 | 何を制御するか | 主な手段 |
|---|---|---|
| 検索語句 | どのクエリに出るか | 検索語句とのマッチング、除外キーワード |
| 広告文 | AIが何を書くか | テキストのカスタマイズ、テキストに関するガイドライン |
| 遷移先 | どのページに送るか | 最終ページURLの拡張、URLの登録・除外 |
| ブランド | どのブランド文脈に出るか | ブランドの登録・除外 |
系統をまたいだ設定を「似たようなもの」と扱うと事故が起きます。たとえば自社ブランド名での配信を止めたいときに除外キーワードを積むのは、系統の選び方を誤っています(後述)。
依存関係の地図
先に全体像を示します。矢印の元がオフだと、先の設定は使えません。
この地図が意味するのは、制御を強めようとして前提をオフにすると、その先の細かい制御ごと失われるということです。テキストのカスタマイズをオフにすれば生成は止まりますが、同時にガイドラインによる文言制御も、最終ページURLの拡張とその除外設定も使えなくなります。
検索語句の系統
検索語句とのマッチング
キーワードとマッチタイプの指定を超えて配信対象を広げる機能です。ブロードマッチの技術に加えて、アセットやランディングページの内容を使います。従来のブロードマッチより踏み込んだ拡張だと理解しておくのが安全です。
設定はキャンペーンで有効にし、広告グループ単位でオフにできます。この非対称が実務でいちばん引っかかります。特定の広告グループだけキーワードどおりの配信に戻したいとき、キャンペーン設定を探しても見つかりません。
広告グループでオフにすると、その広告グループはキーワードとマッチタイプに厳密に従った配信に戻り、アルゴリズムによる拡張が止まります。なお、広告グループ単位で扱うにはキャンペーン側が有効である必要があります。
除外キーワード
拡張が効くほど、除外キーワードの重要性は下がるどころか上がります。特定のフレーズや意図のパターンを確実に止めたいときは、こちらが担当です。
広告文の系統
テキストのカスタマイズ
AIが広告文のアセットを生成する機能です。旧・自動作成アセット(ACA)にあたります。キャンペーン設定でオン・オフを切り替えます。
テキストに関するガイドライン(ベータ版)
生成を止めずに、生成される文言に制約をかける機能です。テキストのカスタマイズが有効であることが前提になります。2種類あります。
| 種類 | 上限 | 適用範囲 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 除外する語句 | キャンペーンごとに25個 | 言語ごと | 特定の単語・フレーズを確実に避ける |
| メッセージの制限 | キャンペーンごとに40個 | 全言語 | 避けたい概念・トーン・内容のカテゴリを指示する |
日本語のアカウントで効かせるなら、メッセージの制限が本命です。除外する語句は言語固有で、英語で「Cheap」を除外しても日本語の「激安」は止まりません。一方でメッセージの制限は自然な文章で概念やトーンを指示でき、その指示を英語で書いた場合でも、キャンペーンが生成する全言語に適用されます。
薬機法や景品表示法の要求は「効能効果を断定しない」「最上級表現を使わない」といった概念として書けるので、メッセージの制限のほうが表現しやすいはずです。
遷移先の系統
最終ページURLの拡張
キャンペーンで指定したランディングページではなく、サイト内で最も関連性が高いとシステムが判断したページへ送る機能です。テキストのカスタマイズが有効であることが前提です。
遷移先が変わる機能なので、コンバージョン計測やLPのABテストを設計している場合は影響を受けます。有効にする前に、計測が遷移先ごとに切り分けられる状態かを確認してください。
URLの除外とURLの登録
| 手段 | できること | 前提 |
|---|---|---|
| URLの除外 | 拡張の対象から特定のURLを外す | 最終ページURLの拡張がオンのときだけ追加できる |
| URLの登録 | 配信先を選んだURLに限定する | 前提なし |
URLの除外は、最終ページURLの拡張がオフだと設定できません。「拡張は使いたくないが、念のためURL除外だけ入れておこう」という順序では設定できない、ということです。拡張がオフなら遷移先は指定どおりなので、そもそも守る必要がない、と考えれば筋は通っています。
URLの登録と最終ページURLの拡張を両方有効にすると、登録したURLに加えて、システムが成果につながると判断したURLも使われます。「登録したURLだけに限定される」わけではないので、限定したいなら拡張のほうをオフにしてください。
ブランドの系統
自社や競合のブランド文脈をどう扱うかは、除外キーワードではなくブランドの登録・除外で行います。
| ブランドの除外 | 除外キーワード | |
|---|---|---|
| 単位 | ブランドという実体(エンティティ) | 個別の語句・フレーズ |
| カバー範囲 | 表記ゆれ、よくある誤字、関連する傘下ブランドも自動で対象 | 登録した語句とその一致条件のみ |
| 向いている用途 | ブランド検索そのものを止める | 特定のフレーズや意図を止める |
ブランド検索を止めたいときに除外キーワードを使うと、誤字や表記ゆれの分だけ漏れます。ブランド名は無限に打ち間違えられるので、リストで追いかける運用は破綻します。ブランド単位で止めたいならブランドの除外、フレーズ単位で止めたいなら除外キーワード、と系統で分けてください。
なおブランドの登録・除外の設定は、AI最大化設定への移行時にそのまま引き継がれます。
制御を決める順序
機能を1つずつ検討すると、依存関係で行き詰まります。次の順で決めると手戻りが減ります。
- AIに広告文を書かせるか。書かせないならテキストのカスタマイズをオフ。この時点でガイドラインもURL拡張も検討対象から外れ、判断が終わります
- 書かせるなら、文言をどこまで縛るか。まずメッセージの制限で概念を指示し、確実に避けたい単語があれば除外する語句を足す
- 遷移先をシステムに委ねるか。委ねるなら最終ページURLの拡張をオン。オンにして初めてURLの除外が使えるので、除外したいページがあるならこの順序で設定する
- クエリの拡張をどこまで許すか。キャンペーンで検索語句とのマッチングを有効にし、戻したい広告グループだけ個別にオフにする
- ブランド文脈を整理する。ブランドの登録・除外で実体単位の線を引き、残りを除外キーワードで詰める
1番から順に決めるのが重要です。制御は上流ほど影響範囲が広く、上流をオフにすれば下流の設定は不要になります。
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参照元
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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