この記事でわかること
Google広告の英語版ヘルプに、AI最大化設定(AI Max)へ移行するとキャンペーンレベルのインテントマッチが持つ優先度の特別扱いが外れる、という注意書きが追記されました。9月1日から始まった自動アップグレードで、検索語句の行き先が別キャンペーンへ移る可能性があります。前提となる優先度ルール、影響が出るアカウントの見分け方、対処法を整理します。
生成AIによる要約
Google広告の英語版ヘルプに、AI最大化設定(AI Max)への移行に関する注意書きが追記されました。Search Engine Roundtableが9月1日に報じています。
内容は、キャンペーンレベルのインテントマッチが持っていた優先度の特別扱いが、移行後は外れるというものです。仕様変更の告知ではなく、既存の挙動の明文化にあたります。
ただし、9月1日から検索キャンペーンの自動アップグレードが始まったばかりのタイミングです。放置すると、これまで優先的に配信できていた検索語句が別のキャンペーンへ移る可能性があります。
前提|キャンペーンレベルのインテントマッチには優先度の特別扱いがある
Google広告では、同じ検索語句に複数のキーワードが該当したとき、優先度のルールで表示先が決まります。「Google 広告アカウント内での広告グループとアセット グループの優先順位付けについて」に4段階で整理されています。
第1に、検索語句と同一の完全一致キーワードが最優先されます。第2に、検索語句と同一のフレーズ一致キーワード、インテントマッチキーワード、検索テーマが同順位で続きます。第3にAIによる関連性の判定、第4に広告ランクの順です。
ここに例外があります。キャンペーンレベルのインテントマッチ設定(正式名称は「インテント マッチ キャンペーンの設定」)を有効にしたキャンペーンです。
日本語版ヘルプには、次のように記載されています。
この設定が有効になっているキャンペーンに含まれるキーワードは、インテント マッチ バージョンと完全一致バージョンの両方が存在するとみなされ、キーワードの優先度ルールに沿って優先順位が付けられます。
つまり、登録はインテントマッチだけでも、検索語句と文字列が一致すれば完全一致キーワードと同じ優先度1で扱われます。この設定を導入したアカウントは、意図せずこの特別扱いに依存している可能性があります。
追記された内容|移行後は特別扱いが外れる
今回、英語版ヘルプに追記されたのは次の一文です。
When disabling the broad match campaign setting or moving to AI Max, broad keywords are not treated as exact match keywords in prioritization.
設定を無効にした場合、またはAI最大化設定へ移行した場合の挙動です。インテントマッチキーワードは、優先度の判定上、完全一致キーワードとして扱われなくなります。
特別扱いが外れると、当該キーワードは優先度1から優先度2へ落ちます。同じ検索語句を拾える完全一致キーワードが他のキャンペーンにあれば、そちらの優先が確定します。
移行前は両者が優先度1で並び、広告ランクの勝負でした。移行後はその勝負がなくなります。
なお、Googleは「このロジックの影響を受けるのは、キーワードと完全に一致する検索のみです」とも注記しています。拡張されて拾っている検索語句には関係しません。
影響が出るアカウント、出ないアカウント
この話が問題になるのは、同じアカウント内に、同じ検索語句を拾える別のキャンペーンがある場合だけです。
検索キャンペーンが実質1つしかないアカウントなら、優先度が変わっても行き先は変わりません。この項目は読み飛ばして構いません。
注意が必要なのは、次のような構成です。指名系と一般語でキャンペーンを分けている場合。商材やカテゴリごとに完全一致のキャンペーンを別立てしている場合。入札戦略や日予算を意図的に分けている場合です。
これらのアカウントでは、検索語句が別キャンペーンへ移った結果、適用される入札戦略とランディングページが変わります。獲得単価が動いても、原因が優先度の変化だと気づきにくいのが厄介な点です。
対処|変換ではなく、完全一致のコピーを追加する
Googleが示している選択肢は2つです。加えて、避けたほうがよい方法が1つあります。
1つ目は、何もしないという選択です。AI最大化設定の標準的な優先度ルールで問題ないと判断するなら、対応は不要とされています。Google自身が明示している選択肢なので、消極的な放置とは違います。
2つ目は、移行後のキャンペーンに完全一致キーワードのコピーを追加する方法です。優先度を維持したい場合はこちらになります。
避けたいのは、インテントマッチキーワードを完全一致へ変換する方法です。ただしGoogleは、変換すると過去のキーワード統計が失われると書いています。マッチタイプを変えたキーワードは別のキーワードとして扱われるため、実績の連続性が切れます。
守りたい語句が明確にあるなら、2つ目のコピー追加が無難です。既存のインテントマッチを残したまま完全一致を足す形なら、実績の連続性を保てます。
対象は全キーワードではありません。指名系や、コンバージョンが安定して読める語句に絞れば、追加する数は限られます。
日本語版ヘルプには未反映(2026年9月2日時点)
今回の追記は、英語版ヘルプでのみ確認できます。日本語版の同ページには、9月2日時点で該当する注意書きがありません。
日本語版で確認できるのは、設定有効時に「両方が存在するとみなされる」という前提部分までです。移行時に外れるという記述は、まだ反映されていません。
社内やクライアントへ共有する際は、英語版のURLを添える必要があります。日本語版だけを見ると、話が通じない可能性があります。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 何が起きるか | AI最大化設定へ移行すると、インテントマッチが完全一致として優先されなくなる |
| 位置づけ | 仕様変更の告知ではなく、英語版ヘルプへの注意書きの追記 |
| 影響範囲 | キーワードと完全に一致する検索語句のみ |
| 影響が出る構成 | 同じ検索語句を拾える完全一致キーワードが、別キャンペーンにあるアカウント |
| 対処1 | 何もしない(標準の優先度で問題なければ対応不要) |
| 対処2 | 移行後のキャンペーンに完全一致キーワードのコピーを追加する |
| 非推奨 | インテントマッチから完全一致への変換(過去のキーワード統計が失われる) |
| 日本語版ヘルプ | 9月2日時点で未反映 |
まず試すべき1アクション: キャンペーンレベルのインテントマッチを使っているキャンペーンを開き、そこに登録されているキーワードと同じ語句が、他のキャンペーンに完全一致で入っていないかを確認してください。重複がなければ、この話の影響は受けません。
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参照元
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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