テレビ・音声・屋外が「運用型で買える」時代に
運用型広告というと、検索広告やSNS広告を思い浮かべる方が多いと思います。近年は、テレビ・音声・屋外という従来のマス媒体がデジタル化しています。その結果、これらの枠もインプレッション単位で、運用型に近い形で買えるようになってきました。
電通「2025年 日本の広告費」(2026年3月5日発表)を見ると、デジタル化の流れがよくわかります。インターネット広告費は4兆459億円で前年比110.8%となりました。総広告費に占める割合は50.2%で、初めて過半数を超えています。
動画広告費は1兆275億円で前年比121.8%と、初めて1兆円を超えました。このうちテレビメディア関連動画広告費(TVerやABEMAなどのCTVを含む)は805億円で前年比123.3%です。屋外広告は3,042億円(前年比105.3%)、交通広告は1,736億円(前年比108.6%)でした。
3つの枠に共通する特徴
CTV・デジタル音声・DOOHは、それぞれ配信面が異なります。一方で、運用型広告としての性質には共通点があります。次の4点が代表的です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 非スキップ中心 | 途中でスキップしにくく、完視聴率が高い傾向 |
| ブランディング向き | 大画面や音声、街なかの接点で印象を残しやすい |
| データ活用 | 1stパーティデータや人流データを配信に活かせる |
| インプレッション課金 | 視聴数や視認数を基準にした課金が中心 |
非スキップである点は特に重要です。動画のVTR(完視聴率)は、枠によっては90%台になる例も紹介されています。じっくり見てもらいやすいため、認知やブランド想起を狙う設計と相性が良い枠です。
従来の運用型広告との役割の違い
検索広告とSNS広告は、需要を獲得する場面で力を発揮します。今まさに検討している顕在層へ、直接コンバージョンを促す動きが得意です。
一方で、CTV・デジタル音声・DOOHは上流の接点になりやすい枠です。まだ検討していない層に、認知やブランド想起を広げる役割を担います。そのため評価も、ROASや直接コンバージョンだけでなく、認知や来店の指標が中心になりやすい点を押さえておきたいところです。
それぞれの枠の入り口
ここでは3つの枠を簡単に紹介します。詳しくは各記事で解説しています。
CTV(コネクテッドTV)は、ネットに接続したテレビの大画面へ配信する動画広告です。TVerやABEMAなど、運用型で買える出稿先が増えています。詳しくはCTV広告ガイドで扱います。
デジタル音声広告は、ネットラジオや音楽・ポッドキャスト配信で流れる音声広告です。radikoやSpotifyが代表的で、ながら聴取の接点が特徴です。詳しくはデジタル音声広告ガイドで扱います。
DOOH(デジタル屋外広告)は、駅や電車、店頭などのサイネージへ配信する広告です。時間帯や立地、人流データで自動配信できる点が進化しています。詳しくはプログラマティックDOOH広告ガイドで扱います。
動画クリエイティブは使い回せるか
CTVを検討する際、動画クリエイティブをどう用意するかは共通の悩みになりやすい点です。既存のYouTube向け動画を土台に、大画面向けの見せ方へ調整する進め方が現実的です。
音を消しても伝わる構成や、大画面での視認性を意識した設計が求められます。動画の考え方は動画広告ガイドやYouTube広告ガイドで解説しています。台本づくりは動画広告の台本設計ガイドもあわせてご覧ください。