AI最大化設定経由のコンバージョンは全体の何割か|キーワードレポートの集計行で出す

この記事でわかること

AI最大化設定(AI Max)が自動アップグレードで広がるなか、自社のコンバージョンのうちAI最大化設定経由が何割かを把握する方法を整理します。検索語句レポートのフィルタでは出せない理由、キーワードレポート最下部にある「合計: AI 最大化設定のキーワード拡張」「合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張」の見方、分母に使う「合計: キャンペーン」、公式ヘルプと管理画面で行名が違う点までまとめました。

生成AIによる要約

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Google広告の検索キャンペーンは、2026年9月からAI最大化設定(AI Max)への自動アップグレードが順次始まっています。配信が動き出すと、次に出てくるのは「自社のコンバージョンのうち、AI最大化設定経由はどれくらいあるのか」という問いです。Search Engine Landも、Armen Sargsyan氏による記事「How much of your Google Ads conversions come from AI Max?」を2026年9月23日に公開しています。

結論から書くと、この比率はキーワードレポートの最下部にある合計行から計算できます。検索語句レポートのマッチタイプで絞り込む方法では正しく出せません。本記事では、日本語の管理画面での出し方、記事が紹介しているキャンペーン単位のレポート、そして数字を読み違えないための前提を整理します。

なぜ検索語句レポートでは比率が出せないのか

最初に思いつくのは、検索語句レポートでマッチタイプを「AI 最大化設定」で絞り込む方法です。しかしこの方法では、実際より小さい数字が出ます。

Google広告ヘルプには、次のように明記されています。マッチタイプ =「AI 最大化設定」でフィルタリングすると、検索語句レポートで表示されるAI最大化設定の数値が低くなることがある、というものです。理由は、このフィルタが「その他の検索語句」を考慮しないためです。

「その他の検索語句」は、個別の行として表示されない語句がまとめられた行です。検索語句レポートは、もともとすべての語句を1行ずつ開示するレポートではありません。ここにAI最大化設定経由の成果が含まれていても、フィルタでは拾えません。

つまり検索語句レポートは、どんな語句で出ているかを見るには向いていますが、比率の分子を作る用途には向いていません。分母と分子の集計範囲がそろわないためです。

日本語の管理画面での表示|合計行は入れ子になっている

比率の材料になるのは、キーワードレポートの最下部にある合計行です。左メニューの [オーディエンス、キーワード、コンテンツ] から [検索キーワード] を開き、表を最下部までスクロールすると表示されます。2026年9月24日時点の日本語の管理画面では、次のように並んでいました。

Google広告のキーワードレポート最下部の合計行。上から「合計: 現在のビューのキーワード」「合計: キャンペーンのキーワード」が並び、後者を展開すると「合計: キーワード」「合計: AI 最大化設定のキーワード拡張」「合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張」の3行が内訳として表示される。その下に「合計: キャンペーンの URL の登録」と「合計: キャンペーン」が続く

注目したいのは、キーワードの合計行が折りたたみになっていて、展開すると3つの内訳に分かれる点です。内訳は「合計: キーワード」「合計: AI 最大化設定のキーワード拡張」「合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張」の3行です。AI最大化設定に関係するのは、後ろの2行にあたります。

集計行中身
合計: キーワード登録したキーワードそのものに対する合計
合計: AI 最大化設定のキーワード拡張追加したキーワードを起点に、AI最大化設定が広げた一致
合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張キーワードを介さず、ランディング ページやアセットが原因で一致した分

いちばん上の「合計: 現在のビューのキーワード」は、絞り込み中の表示に対応する合計です。親行の名前は、見ている階層で変わります。キャンペーンを選んだ状態では「合計: キャンペーンのキーワード」、アカウント全体では「合計: アカウントのキーワード」です。比率を計算する前に、自分がどの階層の合計を見ているかを確認してください。

キーワードの内訳の下には、さらに「合計: キャンペーンの URL の登録」と「合計: キャンペーン」が並びます。いちばん下の「合計: キャンペーン」が、そのキャンペーンの総計です。

公式ヘルプと管理画面で行名が違う

ここで1つ注意点があります。Google広告ヘルプ「検索キャンペーン向け AI 最大化設定のレポートについて」では、同じ2行が別の名前で説明されています。英語UIの表記も含めると、3通りの言い方が並んでいる状態です。

日本語の管理画面英語の管理画面日本語ヘルプ
合計: AI 最大化設定のキーワード拡張Total: AI Max expanded matches合計: AI 最大化設定の拡張一致
合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張Total: AI Max landing page matches合計: AI 最大化設定のランディング ページの一致

ヘルプの定義は具体的で、こちらのほうが中身を理解しやすい書き方です。「拡張一致」は、追加したキーワードに基づいてAI最大化設定が作った、インテント マッチ キーワードからの総トラフィックと説明されています。「ランディング ページの一致」は、キーワード以外の、ランディング ページまたはアセットが原因で一致した検索語句からの総トラフィックです。

ヘルプ内でも表記は統一されていません。機能別のレポート一覧の節では「合計: AI 最大化設定のキーワード拡張」と、管理画面と同じ名前で書かれています。検索して情報を探すときは、両方の言い方で当たると見つかります。

比率の出し方|分母はキャンペーンの合計

計算式は単純です。Search Engine Landの記事では、次の2段階で整理されています。

  1. AI最大化設定経由のコンバージョン = キーワード拡張 + キーワード以外の拡張
  2. 比率 = AI最大化設定経由のコンバージョン ÷ キャンペーンのコンバージョン合計

同記事によると、キーワードの内訳3行はいずれも「合計: キャンペーン」(英語UIでは Total: Campaign)に集約されます。分母にはこの行を使います。キーワード側の合計行を分母にすると、URLの登録による流入が抜け落ちます。同じ階層の数字どうしで割ることだけ守れば、計算でつまずくことはありません。

集計行の構成と、比率の分子合計: キーワード登録したキーワードそのものキーワード拡張キーワードを起点にキーワード以外LPやアセットからURL の登録キーワード外AI最大化設定経由(分子)合計: キャンペーン(分母)比率を出すときは、分子と分母の階層をそろえます

キャンペーンが多いと手作業では回らない

ここまでの手順は、キャンペーン1つぶんです。Search Engine Landの記事が指摘しているのは、その次の問題です。データは管理画面にあるのに、全キャンペーンぶんを1つの表にまとめる手段が用意されていません。

キャンペーンを開き、キーワードのタブへ移り、最下部までスクロールして数字を控える。これを20件や50件のキャンペーンで繰り返すのは現実的ではない、というのが同記事の主張です。欲しいのは、次の列を持つキャンペーン単位の一覧だとしています。

  • キャンペーン名
  • コンバージョン合計
  • AI最大化設定のキーワード拡張
  • AI最大化設定のキーワード以外の拡張
  • AI最大化設定経由の合計
  • 全体に占める比率

同記事では、この表をGoogleドライブ上のスプレッドシートに自動で書き出すGoogle広告スクリプトを自作したと紹介されています。スクリプトの中身と入手方法は元記事を参照してください。同じ表は、Google Ads APIやレポートエディタでも組めるはずですが、そちらの手順は本記事では検証していません。

比率をどう使うか

記事の後半は、出した比率の使いどころに割かれています。筆者のArmen Sargsyan氏は、AI最大化設定の比率を週次で見て、キャンペーン単位で比較することをすすめています。

狙いは、すべてのキャンペーンの検索語句を毎週見ることではありません。それではノイズが多すぎる、と同氏は書いています。比率が大きく動いたキャンペーンを見つけて、そこだけ検索語句を掘る。優先順位をつけるための指標として使う、という位置づけです。

掘るときの観点として、同記事はおおむね次の4点を挙げています。

  1. その語句は関連性があるか
  2. 許容できる獲得単価でコンバージョンしているか
  3. これまで狙えていなかった有望なテーマをGoogleが見つけているか
  4. それとも拡張が行きすぎているか

キャンペーンの成果が動いたときの説明材料にもなります。成果が変化した時期とAI最大化設定の比率が上がった時期が重なっていれば、原因を探る切り口が1つ増えます。増分として価値のある流入なのか、単に広い枠での競合が増えただけなのかは、そこから先の話です。

比率を読み違えないための3つの前提

出した数字をそのまま「AI最大化設定の貢献度」として扱うと、判断を誤ります。押さえておきたい前提が3つあります。

1. キーワード拡張は、機能を止めたら丸ごと失う数字ではありません。 ヘルプの定義は、追加したキーワードに基づいて作られたインテント マッチ キーワードからのトラフィック、というものです。もとのキーワードで拾えていた検索が含まれることもあります。止めた場合の減少幅とは別物と考えるほうが安全です。優先度の扱いは移行の前後で変わるため、インテントマッチの「完全一致扱い」が外れる件もあわせて確認してください。

2. 検索語句レポートの数字とは一致しません。 前述のとおり「その他の検索語句」の扱いが異なるため、両者の数字がずれます。社内で共有するときは、どちらのレポートから取った数字かを明記しておくと混乱を避けられます。

3. 立ち上げから2週間は判断材料にしません。 ヘルプでは、AI最大化設定を有効にしてから除外キーワードの追加などの変更を加えるまで、少なくとも2週間待つよう案内されています。入札自体の学習にかかる期間はコンバージョン数やサイクルによって変わるため、この2週間は設定変更を控える目安と捉えてください(詳しくは「推奨コンバージョン数に届かなくても自動入札は働くのか」)。学習が落ち着く前の比率で結論を出さないほうが無難です。

あわせて見ておきたいレポート

比率だけでは、中身の良し悪しまでは分かりません。次の3つのレポートを組み合わせると、AI最大化設定が何をしているかが具体的に見えてきます。

  • アセット レポート: [提供者:] 列が [Google AI] になっているものが、テキストのカスタマイズで作られたアセットです。ブランドに合わない文言はここから削除できます
  • ランディング ページ レポート: [選択方法:] 列で、そのURLをAI最大化設定が選んだのかどうかを確認できます
  • 検索語句レポートの [検索語句と広告の組み合わせ] ビュー: 検索語句・広告見出し・ランディング ページが同じ行に並びます

アセットの一括削除は管理画面からはできません。Google Ads APIとGoogle広告エディタでのみ対応しているとヘルプに記載があります。

まとめ

項目内容
比率の分子「合計: AI 最大化設定のキーワード拡張」と「合計: AI 最大化設定のキーワード以外の拡張」
比率の分母「合計: キャンペーン」(キーワードの内訳3行とURLの登録が集約される)
表示場所[オーディエンス、キーワード、コンテンツ] > [検索キーワード] の最下部。親行を展開すると内訳が出る
使えない方法検索語句レポートのマッチタイプ =「AI 最大化設定」フィルタ(「その他の検索語句」が考慮されない)
表記のずれヘルプでは「拡張一致」「ランディング ページの一致」と書かれている箇所がある
全キャンペーン一覧標準機能では作れない。Search Engine Landの記事がGoogle広告スクリプトを紹介している
判断のタイミング有効化から最低2週間は設定変更を控える目安(学習にかかる期間は件数で変動)

まず試すべき1アクション: 主要な検索キャンペーンで [検索キーワード] を開き、最下部の合計行を展開してください。AI最大化設定の2行が出ていれば、直近30日のコンバージョン数を控えて、「合計: キャンペーン」に対する比率を1回計算しておきます。次週の同じ数字と並べたところから、モニタリングが始まります。

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ryottaman

ryottaman

広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。

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