この記事でわかること
- Microsoft広告は10月1日から、新規キャンペーンの自動入札3つで上限CPCを廃止します。
- 対象はコンバージョン最大化など3戦略の新規キャンペーンのみで、既存キャンペーンと他の入札戦略は対象外です。
- 事前にコンバージョン計測と目標値を点検し、最適化実験で廃止後の動作を確認しておくことが重要です。
生成AIによる要約
自動入札にクリック単価の上限をかけておく運用は、想定外の高額クリックを防ぐ保険として広く使われてきました。Microsoft広告は2026年10月1日以降、この保険を新規キャンペーンの一部で外します。対象は単体で使う3つの自動入札戦略で、既存キャンペーンの設定はそのまま残ります。
情報源はMicrosoft広告のプロダクトリエゾンであるNavah Hopkins氏の発信です。本記事執筆時点で公式ヘルプへの反映は確認できていないため、詳細な適用条件は今後の公式アナウンスもあわせてご確認ください。
何がいつから変わるのか
2026年10月1日以降、以下の3つの入札戦略で新規キャンペーンを作成する場合、上限CPC(Max CPC)を設定できなくなります。
- コンバージョンの最大化(Maximize Conversions)
- コンバージョン値の最大化(Maximize Conversion Value)
- クリック数の最大化(Maximize Clicks)
日本語の管理画面では、入札戦略を選んだ下に「上限 CPC を設定する」というチェックボックスが表示されます。10月以降、対象の入札戦略を選んだ新規キャンペーンでは、この項目が現れなくなります。

同じ画面にある「1取得あたりのターゲット コスト (CPA) を設定する」が、Microsoftが代替として挙げるtCPAにあたります。上限CPCの代わりに、この項目で成果の水準を指定する運用へ移ることになります。
一方で、上限CPCが引き続き使える範囲も明示されています。Hopkins氏によれば、目標インプレッションシェア、拡張CPC(eCPC)、そしてポートフォリオ入札戦略は対象外です。ポートフォリオ入札で運用しているキャンペーンであれば、10月以降も上限CPCの設定は残ります。
既存キャンペーンの一斉移行は予定されていません。10月1日より前に作成したキャンペーンは上限CPCを保持します。つまり10月1日にアカウント全体から上限CPCが消えるわけではなく、その日以降に該当する新規キャンペーンを作るときだけ選べなくなる、という線引きです。Microsoftは上限CPCに関する追加の変更も予告しています。
Microsoftが挙げる廃止の理由
Microsoftの説明は、上限CPCが自動入札の妨げになるという点に集約されます。設定された上限が広告主の掲げた成果目標を上書きしてしまい、予算のペース配分にも影響しうる、という論理です。
代わりに推奨されているのが、事業成果に直結する制御です。予算、目標CPA(tCPA)、目標ROAS(tROAS)、コンバージョン価値のルール、季節性の調整。クリック単価に蓋をするのではなく、獲得単価や投資対効果の水準で運用する形に寄せる方向です。
Hopkins氏は、Microsoft広告ではtCPAやtROASの目標を超える配信も予算の範囲内で許容されると説明しています。コンバージョン価値に差がある商材では、価値のルールを使って優先度をアルゴリズムに伝える方法も推奨されています。
上限CPCを外すと何が起きるか
上限CPCは、単価の暴走を止める役割を担ってきました。これが外れると、成果のコントロールはコンバージョンデータの質と目標値の設定精度に移ります。
計測が正しく入っていて、コンバージョンの定義が事業の実態と揃っているアカウントであれば、制御の手綱を目標値に持ち替えるだけで済みます。逆に、コンバージョンの粒度が粗いアカウントや、計測にズレが残るアカウントでは、頼れる歯止めが一つ減ることになります。この差が10月以降に出ます。
つまり今のうちに点検すべきなのは入札設定そのものではなく、その手前にあるコンバージョン計測の状態です。
準備の進め方
期限までに確認しておきたい項目を、優先度の順に整理します。
- コンバージョン計測の点検:計測漏れや重複がないか、コンバージョンの定義が事業の成果と一致しているかを確認する
- 目標値の妥当性確認:tCPAやtROASの目標が、実績の分布から見て無理のない水準かを確認する
- 最適化実験での事前検証:既存キャンペーンで上限CPCを外した場合の挙動を実験機能で確認する
- 年末商戦の構成計画:10月以降に新規キャンペーンを立てる予定があるなら、上限CPCなしの前提で設計する
このうち最初の2つは、上限CPCの廃止と関係なく実施しておくべき内容です。今回の変更は、その点検を先送りできなくする期限として働きます。
まとめ
今回の変更の要点を整理します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 適用開始 | 2026年10月1日 |
| 対象 | 新規作成する「コンバージョンの最大化」「コンバージョン値の最大化」「クリック数の最大化」 |
| 対象外 | 既存キャンペーン、目標インプレッションシェア、拡張CPC、ポートフォリオ入札 |
| Microsoftの推奨 | 予算、tCPA、tROAS、コンバージョン価値のルール、季節性の調整による制御 |
| 事前準備 | 最適化実験で上限CPCを外した場合の挙動を確認する |
まず試すべき1アクション: Microsoft広告管理画面でキャンペーン一覧を開き、上限CPCを設定している自動入札キャンペーンを洗い出してください。該当が多いアカウントほど、10月以降の新規作成で運用方法の変更を迫られます。洗い出した結果が「1件もない」なら、今回の変更による影響は限定的です。
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参照元
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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