動的ディスプレイ広告のフィード概要
Yahoo!ディスプレイ広告の動的ディスプレイ広告は、ユーザーの閲覧履歴に応じて商品情報を自動表示する広告メニューです。広告クリエイティブは「商品リストファイル」から自動生成されるため、商品ごとに個別の広告を用意する必要はありません。
Google広告の動的リマーケティングに相当しますが、フィードの管理方法は異なります。Google広告はMerchant Center(GMC)でフィードを一元管理し、ショッピング広告と動的リマーケティングの両方に活用可能です。Yahoo!広告にはGMCのような独立基盤がなく、広告管理ツール内の「商品リスト管理画面」で完結する設計となっています。
フィードの基本スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 対応フォーマット | CSV(カンマ区切り)またはTSV(タブ区切り) |
| 文字コード | UTF-8(BOMなし)またはShift-JIS |
| 改行コード | LFまたはCRLF |
| 最大ファイルサイズ | CSV/TSV: 150MB、ZIP: 60MB |
| 最大登録商品数 | 30万件 |
| フィード項目数 | 全29項目(ヘッダー行は1行目に必須) |
使わない項目でもヘッダー名は削除できません。2行目以降の値を空欄のまま残す仕様です。
必須属性とGoogle Merchant Centerとの対照
フィードは全29項目で構成されており、そのうち必須は6項目のみ。Google MCと比べると求められる属性が少なく、シンプルな構成といえます。
| Yahoo!属性名 | 必須 | Google MC対応属性 | 備考 |
|---|---|---|---|
| item_id | ○ | id | 商品の一意な識別子 |
| title | ○ | title | 商品名。重要なキーワードは冒頭に配置 |
| description | ○ | description | 商品説明。広告枠に応じて末尾が省略される |
| link | ○ | link | 商品ページのURL |
| image_link | ○ | image_link | 画像URL。JPEG/PNG/GIF89a対応 |
| price | ○ | price | 価格 |
Google MCではgtin、brand、conditionなどが必須となりますが、Yahoo!側にはこれらの必須指定がありません。初めてフィードを構築するとき、準備すべき項目数の差は実感として大きいでしょう。
価格表示の優先順位
複数の価格属性を設定した場合、広告上の表示優先度は以下の順序で決まります。
- formatted_sale_price(テキスト付きセール価格)
- sale_price(セール価格)
- formatted_price(テキスト付き通常価格)
- price(通常価格)
sale_priceやpriceを単独で使うとき、prefix/suffixが未設定だと価格が表示されないことがあります。セール施策にはformatted_sale_priceとの併用を検討してください。
画像とテキストの品質指針
タイトル(title)は広告枠のサイズに応じて末尾が自動省略されます。重要な情報は冒頭に配置するのが原則で、タイトル20文字以内、説明文90文字以内が目安です。
画像URLを変更せずにファイルだけ差し替えると、キャッシュにより旧画像が残る場合があります。更新時はファイル名にバージョン番号やタイムスタンプを含めてURLごと変更してください。
フィードの更新方法
フィードの鮮度は広告成果に直結します。在庫切れやリンク切れは不承認の原因となるため、定期的に更新する仕組みを整えておくことが重要です。
全件更新と差分更新
更新方式は2種類で、それぞれ1日4回までアップロードできます。
| 方式 | 動作 | 適した場面 |
|---|---|---|
| 全件更新 | ファイル内容ですべてを置き換え。未掲載の商品は削除される | データの一貫性を重視する場合 |
| 差分更新 | 変更のある商品のみ上書き。未掲載の商品は残る | 商品数が多く転送時間を短縮したい場合 |
全件と差分はそれぞれ別カウントのため、1日最大8回のアップロードが可能です。失敗した回もカウントに含まれる点には注意してください。
アップロード方式の選択肢
| 方式 | 特徴 | 適した規模 |
|---|---|---|
| 管理画面から手動 | ファイルを直接アップロード | 小規模・低頻度の更新 |
| FTP/SFTPスケジュール | URLを登録し1〜12時間おきに自動取得 | 中規模・日次更新 |
| API(Display Ads API) | リアルタイム更新に対応 | 大規模・高頻度の在庫変動 |
FTP/SFTP方式ではURLの末尾が「.tsv」または「.zip」である必要があります。
運用メモ 在庫変動の激しいECでは、FTP/SFTPかAPI連携の導入を推奨します。手動アップロードだけでは価格や在庫の反映が遅れ、不承認やクリックの無駄につながりがちです。dfplus.ioなどのフィード管理SaaSを使えば、Google MC・Meta・Yahoo向けへの同時配信も自動化できます。
審査基準と主なエラーパターン
入稿された商品は自動で審査されます。不承認の原因を早期に特定し対処することが、安定配信の前提条件です。
| 不承認の原因 | 詳細 | 対処法 |
|---|---|---|
| リンク先がエラーページ | URLが404やリダイレクトエラーを返す | URL有効性を一括チェックする |
| 画像URLが無効 | 画像が取得できない、形式が非対応 | 疎通確認のうえJPEG/PNG/GIF89aで再設定 |
| 価格の不一致 | フィードとLPの価格が異なる | フィード更新頻度を上げて同期する |
| 在庫情報の不整合 | 在庫切れ商品に「in stock」を設定 | 在庫ステータスの自動連携を導入する |
| 同一item_idの重複 | 複数行に同じ商品IDが存在 | フィード生成時にIDの一意性を検証する |
| 広告掲載基準への抵触 | 誇大表現や法令に関わる記載 | テキストの表現を見直す |
否認理由は管理画面の「否認理由/再審査依頼」からTSV形式で一括ダウンロードできます。不承認商品を放置するとアカウント全体の信頼性にも影響するため、定期的な確認を習慣にしてください。
GoogleフィードからYahoo向けへの変換
すでにGoogle MC用フィードを運用している場合、Yahoo向けに転用すれば構築の手間を減らせます。主な変換ポイントは以下の通りです。
| 手順 | 内容 |
|---|---|
| 1. 属性名の変更 | 「id」を「item_id」に変更するなどYahoo仕様に合わせる |
| 2. Google専用属性の整理 | gtin、brand、conditionなどは空欄化する(ヘッダーは残す) |
| 3. カテゴリの再マッピング | google_product_categoryをYahoo規定のカテゴリIDに置き換える |
| 4. 文字コードの確認 | UTF-8(BOMなし)またはShift-JISに統一する |
| 5. 画像URLの疎通確認 | すべての画像URLが正常にアクセスできるか検証する |
| 6. ファイルサイズの確認 | 150MB超はZIP圧縮(60MB以内)または分割を検討する |
業種ごとのフィード設計
Google広告には業種別テンプレート(フライト・ホテル・教育など)がありますが、Yahoo!ではすべての業種で共通の29項目フォーマットを使用します。業種の違いは項目の使い方で吸収する形です。
| 業種 | titleの内容 | priceの内容 | 画像の推奨 |
|---|---|---|---|
| EC(小売) | 商品名+ブランド+特徴 | 販売価格 | 白背景の商品単体 |
| 不動産 | 物件名 | 賃料や販売価格 | 外観・内装写真 |
| 旅行 | 目的地名+プラン名 | 旅行代金 | 現地の風景写真 |
| 求人 | 職種名 | 給与 | 職場の写真 |
dfplus.ioなどのフィード管理SaaSは、Google MCからの自動マッピングに対応しています。手動で変換するよりも効率的に運用できるでしょう。