フィード設計がカタログ広告の品質を決める
Metaカタログは、Commerce Manager上で商品データを管理するためのデータベースです。ここに登録したフィードの内容が、Advantage+カタログ広告のクリエイティブにそのまま反映されます。
Google Merchant Center(GMC)との大きな違いは配信ロジックにあります。Googleショッピング広告は検索クエリとのマッチングが中心のため、タイトルへのキーワード詰め込みが有効です。一方、Meta広告はインタレストや行動データで配信先を決めるため、自然な文章のタイトルが適しています。
フィードの属性仕様はGMCと共通する部分もありますが、フィールド名や書式ルールはMeta独自の仕様に従う必要があります。
フィードフォーマットと登録方法
Commerce Managerへのフィード登録には、いくつかの方式があります。対応フォーマットや容量の制約を把握しておくと、運用設計がスムーズに進みます。
対応ファイル形式
| 形式 | 特徴 |
|---|---|
| CSV/TSV | もっとも一般的。スプレッドシートからの出力と相性がよい |
| XML(RSS/ATOM) | GMC用のXMLフィードをそのまま流用できる |
| XLSX | Excel形式での入稿に対応 |
| Google Sheets | スプレッドシートのURLを指定して自動取得 |
文字コードはUTF-8が必須です。ファイルサイズの上限は手動アップロードで100MB、スケジュール取得で4GB(ZIP/GZIP圧縮時は30GB)となっています。1フィードあたり最大100万商品まで登録できます。
登録方式の選択
小規模なカタログであれば手動アップロードでも運用できます。ただし、在庫や価格の変動がある商品を扱う場合は、スケジュール取得(URLを登録してMetaが定期的に自動取得する方式)を推奨します。更新頻度は少なくとも1日1回、在庫変動が多い場合は6時間ごとが目安です。
ShopifyやWooCommerceなどのプラットフォーム連携を使えば、商品登録やフィード生成を自動化できます。
必須属性と書式ルール
すべての商品で必ず設定が必要な属性は9項目です。フィールド名は英語で記述します。
| 属性名 | 内容 | 書式の注意点 |
|---|---|---|
| id | 商品の一意識別子 | フィード更新をまたいで変更不可 |
| title | 商品名 | 最大200文字(表示は65文字程度で切れる) |
| description | 商品説明文 | プレーンテキストのみ。HTMLタグ不可 |
| availability | 在庫状況 | in stock/out of stock/preorder等の英語enum値のみ |
| condition | 商品の状態 | new/refurbished/used のいずれか |
| price | 税込価格 | 「3980 JPY」の形式(数値+半角スペース+ISO 4217通貨コード) |
| link | 商品ページURL | HTTPS必須 |
| image_link | 商品画像URL | 最小500x500px、推奨1024x1024px。JPEG/PNGのみ |
| brand | ブランド名 | 自社ブランドまたはメーカー名 |
書式で特に注意したい点
priceフィールドでは通貨記号($や¥)やカンマ区切りは使えません。「JPY」ではなく「円」と記載するミスも多く見られます。
availabilityは日本語の値を受け付けません。「在庫あり」ではなく「in stock」と記述する必要があります。
idを途中で変更すると別商品として扱われ、過去のパフォーマンス履歴がリセットされます。SKUやJANコードなど、変更が発生しない値をidに設定してください。
画像の仕様
正方形(1:1)の画像がフィード面、ストーリーズ、ショッピングタブのすべてに対応できます。2025年10月にDynamic Media(Meta AIによる画像の動的加工)が全面適用されました。高解像度で背景が整理された商品画像の重要性が増しています。
additional_image_linkで追加画像を最大20枚まで設定でき、ライフスタイル画像との組み合わせが推奨されています。
カスタムラベルと商品セットの設計
フィードに登録した商品は、Commerce Manager上で「商品セット」にグループ化して広告配信の対象を絞り込めます。この商品セットの設計に活用するのがカスタムラベルです。
カスタムラベルの用途設計
custom_label_0からcustom_label_4まで5つのフィールドを使い、商品を独自の軸で分類できます。事前に用途を定義しておくと、商品セットの運用が整理しやすくなります。
| フィールド | 分類例 | 値の例 |
|---|---|---|
| custom_label_0 | 収益貢献度 | 高/中/低 |
| custom_label_1 | 季節性 | 通年/夏季限定/冬季限定 |
| custom_label_2 | 在庫状況 | 豊富/残少 |
| custom_label_3 | マージン区分 | 高マージン/標準/低マージン |
| custom_label_4 | 商品フェーズ | 新商品/定番/廃番予定 |
商品セットの活用
商品セットはフィルタ条件で自動更新されるため、手動でのメンテナンスは不要です。たとえば「custom_label_0が高かつavailabilityがin stock」というフィルタを設定すると、収益貢献度の高い在庫あり商品だけを配信対象にできます。
広告セットごとに異なる商品セットを紐づけることで、入札戦略や予算配分を商品価値ベースで分けられます。
運用メモ カスタムラベルの値はフィード側で設定するため、変更にはフィードの再アップロードが必要です。頻繁にラベルを更新する場合は、スケジュール取得方式を使い、フィード生成元のシステムで値を自動計算する仕組みを整えておくと運用負荷を抑えられます。
Advantage+連携のためのID設計
Advantage+カタログ広告やASCを活用するには、PixelイベントとカタログのID設計が重要です。両者の間でIDを正確に対応させる設計が、配信精度を左右します。
content_idとカタログidの一致
Meta PixelやConversions APIで送信するcontent_idの値は、カタログのidフィールドと完全一致させます。この一致率を示す「カタログマッチ率」は90%以上が推奨目標です。
商品バリアント(色やサイズ違い)がある場合、2つの方式があります。バリアント単位でユニークなidを振る方式と、item_group_idで親商品にまとめる方式です。前者は精度が高い反面フィード行数が増えます。後者は行数を抑えられますが、マッチ精度が下がるリスクがあります。
ASCの前提条件
ASCを利用するには、過去30日間で50以上のコンバージョン計測と、20 SKU以上のカタログ接続が前提条件です。Event Match Quality(イベントマッチ品質)スコアは6.0以上を目標に設定してください。
Pixel単独ではなくConversions API(CAPI)との併用が推奨されています。両方からイベントを送信しても、Meta側で自動的に重複排除されます。
よくあるフィードエラーと対処法
Commerce Managerの「カタログ」タブにある「問題」セクションから、エラーの詳細を確認できます。商品承認率は95%以上を目標にしてください。
| エラー内容 | 原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| 必須フィールド欠落 | conditionやbrandが未設定 | フィード生成元で全商品にデフォルト値を設定 |
| 価格フォーマット不正 | カンマや通貨記号の混入 | 「3980 JPY」の正しい形式に統一 |
| 画像URL 404 | CDN変更後に旧URLが残存 | フィード更新時にURLの有効性を検証する仕組みを追加 |
| descriptionにHTMLタグ | CMS出力がHTMLのまま | タグを除去してプレーンテキストに変換 |
| 重複ID | 同一idが複数行に存在 | バリアント商品には個別のidを付与 |
GMCのフィードをそのまま流用する場合、google_product_categoryなどMeta側で不要な属性が含まれていても、エラーにはなりません。ただし、priceやavailabilityの書式がMeta仕様に合わないケースは多いため、変換処理を挟むことを推奨します。