Google広告のリード獲得フォームアセット(Lead Form assets)を使うには、これまで高い広告費のハードルがありました。そのハードルが、静かに取り払われたようです。
2026年7月20日、Search Engine Landが、リード獲得フォームアセットの利用要件だった「累計5万ドル(USD)の広告費」という記述が、Googleのヘルプドキュメントから削除されていることを報じました。あわせて、Zapierによるリード連携の追加や対応国の拡大も確認されています。
リード獲得フォームアセットは日本でも利用できるフォーマットです。今回の要件緩和は、これまで使えなかった中小規模のアカウントにも門戸が開かれる可能性がある、実務に直結するアップデートです。
リード獲得フォームアセットとは
リード獲得フォームアセットは、広告から直接、Google広告上のフォームで見込み客の情報(氏名・メール・電話など)を取得できる機能です。ユーザーは自社サイトのLPに遷移せずに、その場で問い合わせや資料請求を完了できます。
LPの表示速度や離脱の影響を受けにくく、モバイルでの入力完了率が高いのが特長です。一方で、取得したリードをCRMや営業フローにどう連携するかが運用上の課題でした。
何が変わったのか
最大の変更は、利用要件だった累計5万ドルの広告費の記述が削除されたことです。
これまでは、一部のリードフォーム機能を使うために累計5万ドルという高い広告費実績が求められ、中小規模のアカウントには手が届きにくい状態でした。今回の変更で、その記述がなくなっています。
新しい利用条件
ヘルプに記載されている現在の主な条件は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 広告費の目安 | 1アカウントあたり $1,000 超(または全アカウント合計で $15,000 超) |
| アカウントの状態 | 良好な状態(good standing)である信頼できる広告主 |
| 本人確認 | 広告主の確認プログラム(Advertiser verification)の完了 |
5万ドルという突出した要件がなくなり、リード獲得フォーム全般で標準的な条件($1,000規模+本人確認)に整理された形です。これまで実績不足で使えなかったアカウントでも、条件を満たせば利用できる可能性があります。
Zapier連携でリードをそのままCRMへ
もう一つの注目点が、Zapierが公式のリード配信方法として追加されたことです。
リード獲得フォームの運用で最大の課題は、取得したリードをいかに素早く営業フロー(CRM)に流し込むかでした。Zapier連携により、Google広告とCRMをつなぐことで、ノーコードで数千種類のCRM・業務ツールへリードを自動送信できるようになります。
これまでのリード連携は、Webhook、手動CSVダウンロード、API連携などが中心でした。Zapierが正式サポートされたことで、開発リソースがなくてもリードの自動連携を組めるようになります。
リードデータの保持期間
取得したリードには保持期間があるため、連携は早めに設定しておくのが安全です。
| 取得方法 | アクセス可能な期間 |
|---|---|
| 手動CSVダウンロード | 30日間 |
| Googleによるリードデータの保持 | 60日間 |
| API経由のエクスポート | 最大60日間 |
手動ダウンロードは30日で取得できなくなります。Zapierやリアルタイムのリード連携(Webhook/API)を設定し、取りこぼしを防ぐのが基本です。
対応キャンペーンタイプの変化
利用要件の緩和と同時に、対応キャンペーンタイプの記述も変わっています。
| これまで(ベータ) | 現在のヘルプ記載 | |
|---|---|---|
| 対応キャンペーン | 検索・P-MAX・ディスプレイ・動画 | 検索・P-MAX のみ |
以前はディスプレイ・動画キャンペーンでもベータ提供されていましたが、更新後のドキュメントでは検索とP-MAXのみが記載されています。ディスプレイ・動画での利用を検討していた場合は、現状の対応範囲を確認してください。
対応国の拡大
リード獲得フォームアセットが利用できる国も追加されました。20か国以上が新たに対象となり、バーレーン、クロアチア、エストニア、ヨルダン、クウェート、モロッコ、カタール、セルビア、スロベニア、チュニジアなどが含まれます。
注意:Googleからの正式アナウンスはまだない
重要な注意点として、この変更はGoogleが正式に発表したものではなく、ヘルプドキュメントの記述変更として確認された段階です。
実際のプロダクト側の挙動が変わっているのか、ドキュメントだけが先行して更新されたのかは、現時点で確定していません。ヘルプ上は要件が緩和されていても、管理画面での実際の利用可否は、アカウントの状態や地域によって異なる可能性があります。
運用メモ
「これまで5万ドルの壁で使えなかった」というアカウントは、まず管理画面でリード獲得フォームアセットが選択できるか確認してみる価値があります。ただしヘルプ記載=即利用可能とは限らないため、実際に使えるかは管理画面での表示を正として判断してください。あわせて、リード獲得を始める前にZapier等のリード連携と、取得後の営業フロー(対応スピード)を先に整えておくことを強くおすすめします。フォームは入力完了率が高い分リードが増えますが、対応が遅いとせっかくのリードが冷めてしまいます。取得の仕組みより「取得後の初動」を先に設計するのが成果の分かれ目です。
日本の運用者にとっての意味
リード獲得フォームアセットは日本でも利用可能なフォーマットです。今回の要件緩和が実プロダクトに反映されていれば、これまで広告費の実績で利用できなかった中小規模のアカウントにも選択肢が広がります。
BtoBのリード獲得、資料請求、来店予約、無料体験の申し込みなど、LP遷移前の離脱を減らしたい場面で有効です。Zapier連携が使えるようになったことで、CRM連携のハードルも下がりました。まずは自社の管理画面で利用可否を確認し、使えるようであれば、リード連携と対応フローの整備とセットでテストするのがよいでしょう。
まとめ
- リード獲得フォームアセットの「累計5万ドル」要件がヘルプから削除された
- 現在の記載は $1,000/アカウント規模+広告主の確認(verification)で、標準的な条件に整理
- Zapierが公式のリード配信方法に追加。ノーコードでCRMへ自動連携できる
- 対応キャンペーンは検索・P-MAXのみの記載に(ディスプレイ・動画は記載から外れた)
- 対応国が20か国以上追加
- ただしGoogleの正式発表はなく、ドキュメント変更の段階。実利用は管理画面の表示を正として判断
- リードデータは手動DL30日/保持60日。連携は早めに設定を
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