Google広告が「リンク先の要件(Destination requirements)」ポリシーを更新します。これまで原則禁止だった、広告の最終ページURLから別ドメインへのリダイレクトが、事前承認を得た一部のケースで許容されるようになります。適用は2026年7月上旬の予定です。
この記事では、変更点と対象ケース、運用者が押さえるべき注意点を整理します。なお承認プロセスの詳細など、現時点で公開されていない情報もあります。確定していない部分は「未確認」として区別して記載します。
前提:リンク先の要件とリダイレクトの扱い
Google広告には「リンク先の要件」というポリシーがあります。広告のクリックからユーザーが実際に到達するページについて、一定の条件を定めたものです。この中に「リンク先のミスマッチ(Destination mismatch)」という項目があります。
従来、広告の最終ページURLのドメインと、ユーザーが最終的に到達するドメインは一致している必要がありました。最終ページURLから別ドメインへリダイレクトさせる設定は、このミスマッチにあたるとして原則禁止でした。違反した場合、広告の不承認やアカウント停止の対象になります。
何が変わるのか
今回の更新で、別ドメインへのリダイレクトが「事前承認を得た特定の状況」に限って許容されます。Google公式ヘルプには、次の趣旨が記載されています。
広告の最終ページURLからユーザーを別のドメインに移動させるリダイレクトは、事前の承認を得た特定の状況において許可されます。
変更前後の違いを整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 変更前 | 変更後(2026年7月上旬〜) |
|---|---|---|
| 別ドメインへのリダイレクト | 原則禁止 | 事前承認を得た特定のケースで許可 |
| 承認なしのリダイレクト | 違反(不承認・停止の対象) | 引き続き違反 |
| 承認の要否 | 制度なし | 事前承認が前提 |
対象となるケース
Google公式が現時点で示している例は、消費財メーカーのケースです。
自社のECサイトを持たず、Amazonや量販店などの販売店経由で商品を届けているブランドが該当します。公式ヘルプでは、日用品メーカーが、広告の商品を購入できる承認済みの販売店へユーザーをリダイレクトできる、という例が挙げられています。
食品、飲料、日用品、化粧品など、直販ではなく流通経由で販売するメーカーが主な対象と考えられます。広告から販売店の商品ページへ直接誘導できれば、購入までの導線が短くなります。
事前承認のプロセス
事前承認の具体的な申請方法は、現時点で公開されていません。専用フォームなのか、管理画面上の機能なのか、Google担当者への問い合わせなのか、いずれも確認できていません。
この点は複数の業界メディアも「不明」と報じています。承認プロセスの詳細が公開されるまでは、独自の判断でリダイレクトを実装しないほうが安全です。担当のアカウントマネージャーがいる場合は、そこへ確認するのが現実的な選択肢になります。
承認なしのリダイレクトは引き続き違反
今回の更新は、あくまで事前承認を得たケースを許容するものです。承認を得ずに別ドメインへリダイレクトさせた場合は、これまでどおりリンク先のミスマッチの違反として扱われます。広告の不承認や、警告を経たアカウント停止の対象になります。
「一部解禁されたから試してみる」という運用は、承認なしでは違反リスクを伴います。ここは切り分けて理解しておく必要があります。
運用者としての検討ポイント
このポリシー更新は、直販ECを持たないメーカー系の広告主にとって意味の大きい変更です。従来は「販売店一覧ページ」を自社ドメイン内に用意し、そこを経由させる導線が必要でした。承認を得られれば、販売店の商品ページへ直接誘導する設計が選択肢に入ります。
一方で、対象範囲と承認プロセスがまだ固まっていません。現段階でできる準備は、次のあたりです。
- 自社が消費財メーカー型のビジネスモデルに当てはまるか整理する
- リダイレクト先として想定する販売店(承認済み販売パートナー)をリストアップしておく
- 管理画面やGoogleからの案内で、承認申請の導線が公開されるのを待つ
SIGNALZでは、承認プロセスや対象範囲について公式の続報が出た段階で、あらためて内容を追記・更新します。