この記事でわかること
- GA4のホスト名フィルタに「含める」が追加され、データ送信を許可するドメインのリストを作れるようになりました。
- ホスト名が空のイベントはブロックされ、Measurement Protocolのイベントは対象外です。テスト状態での検証が欠かせません。
- 同時期に、Google広告ユーザー向けのアプリコンバージョンのレポート対応と、ユーザーグループ管理APIも追加されています。
生成AIによる要約
GA4のデータフィルタで、ホスト名の「許可リスト」を作れるようになりました。Googleアナリティクスの英語版リリースノートに、2026年9月21日付で掲載されています。
ホスト名フィルタは、2026年6月11日の更新で「除外」として先に登場していました。今回、指定したホスト名のデータだけを処理する「含める」が加わった形です。不要なドメインを1つずつ除外する運用から、許可したドメイン以外をまとめて除外する運用へ切り替えられます。
ただし、有効化したフィルタで除外したデータは復元できません。テスト状態で事前に検証できるとはいえ、適用前に確認すべき点が多いアップデートです。本記事では、9月後半から10月13日までに掲載されたGA4の更新3件を、運用者への影響が大きい順に整理します。
なお2026年10月13日時点で、日本語版のリリースノートは8月10日付の更新までの掲載にとどまっています。以下は英語版の記載にもとづきます。
9月後半〜10月のGA4アップデート一覧
| 掲載日 | 内容 | 運用への影響 |
|---|---|---|
| 2026年9月21日 | ホスト名フィルタに「含める」を追加 | 大きい。設定を誤るとデータが失われる |
| 2026年9月29日 | Google広告ユーザー向けにアプリコンバージョンの管理とレポートを改善 | アプリ広告を運用している場合は確認が必要 |
| 2026年10月5日 | ユーザーグループ管理API(User Groups Admin API) | 権限管理を大規模に行う組織向け |
ホスト名フィルタの「含める」とは
ホスト名フィルタは、イベントの送信元ドメインを条件にするデータフィルタです。そのデータを処理するかどうかを、ホスト名で決めます。フィルタの動作には次の2種類があります。
- 除外(Exclude): 条件に一致したデータを処理しません
- 含める(日本語UIでは「次のみを含む」): 条件に一致したデータだけを処理します
除外は「怪しいドメインを見つけたら追加する」方式です。後追いの対応になりやすく、新しいスパムドメインが現れるたびに設定を増やす必要がありました。含めるは「自社ドメインだけを通す」方式なので、想定外のドメインからのデータを最初から受け付けません。
アナリティクスヘルプによると、有効な「含める」フィルタはまとめて先に適用されます。そのあとに「除外」フィルタが順番に適用されます。両方を併用する場合は、この処理順を前提に条件を組み立てます。
リリースノートに書かれた2つの例外
リリースノートには、含めるフィルタの例外が2つ記載されています。どちらも、許可リストの設計に直接関わる内容です。
Measurement Protocolのイベントは対象外
Measurement Protocol経由で送られたイベントには、ホスト名の含めるフィルタが適用されません。Measurement Protocolを悪用したスパムは、このフィルタでは防げない点を押さえておきます。
ホスト名が空のイベントはブロックされる
リリースノートでは、ホスト名が空のイベントは含めるフィルタでブロックされると明記されています。その例として「gtag.jsのトラフィック」が挙げられています。
どのような条件でホスト名が空になるのかは、リリースノートでは説明されていません。自社のタグから送られたデータが該当しないかどうかは、テスト状態で確かめる必要があります。
設定前に、データが届いているホスト名を把握する
含めるフィルタで最も避けたいのは、本来計測すべきドメインを許可リストから漏らすことです。設定の前に、現在どのホスト名からデータが届いているかを確認します。探索レポートでディメンション「ホスト名」と指標「イベント数」を並べ、期間を過去90日にすると一覧を確認できます。
一覧を見るときは、とくに次のケースに注意します。
- クロスドメイン計測をしている: 予約システムやカートが別ドメインにある場合、そのドメインも許可しないと購入データを失うおそれがあります
- 決済代行や外部フォームを経由する: サンクスページが外部ドメインにある構成では、コンバージョンの計測に影響します
- サブドメインを後から追加する: キャンペーン用のLPを別サブドメインで公開したとき、一致条件によっては対象外になります
- ステージング環境を同じプロパティで計測している: 意図して除外するのか、残すのかを先に決めておきます
設定手順
設定にはプロパティの編集者以上の権限が必要です。2026年10月14日時点の日本語の管理画面で、手順を確認しました。
- 「管理」を開き、「データの収集と修正」の「データフィルタ」を選択する
- 右上の「フィルタを作成」を選ぶ
- 「フィルタの種類を選択」で「ウェブホスト名のトラフィック」を選ぶ
- 「データフィルタ名」を入力する(同一プロパティ内で一意、40文字以内)
- 「フィルタ オペレーション」で「次のみを含む」を選ぶ(初期値は「除外」)
- 「マッチ タイプ」を選び、「ホスト名」欄にホスト名を入力する
- 「フィルタの状態」で「テスト」を選び、右上の「作成」を押す

作成画面は、フィルタの種類、フィルタの詳細、フィルタの状態の3つのブロックで構成されています。ホスト名の条件は「条件を追加」で複数指定できます。
「フィルタ オペレーション」で「次のみを含む」を選ぶと、フィルタの詳細の上部に注意書きが表示されます。内容は、前述の2つの例外と同じです。Measurement Protocolのイベントには適用されず、ホスト名が空のイベントはすべてブロックされると書かれています。


マッチ タイプは「完全一致」「先頭が一致」「最後が一致」「次を含む」の4種類です。サブドメインを複数運用している場合は、「最後が一致」で「.example.co.jp」を指定する方法があります。「www.example.co.jp」や「shop.example.co.jp」をまとめて対象にできます。ドメイン直下の「example.co.jp」はこの条件に一致しないため、完全一致で別に指定します。
ただし「最後が一致」や「次を含む」は、末尾や一部が同じ別のドメインまで許可するおそれがあります。たとえばドット抜きの「example.co.jp」を「最後が一致」にすると、「fakeexample.co.jp」も一致します。許可リストでは、条件をできるだけ厳密にします。

有効化の前に、テスト状態で必ず検証する
フィルタの状態は「テスト」「有効」「無効」の3つです。テスト状態では、データは除外されません。管理画面の説明によると、一致するデータのディメンションが「テスト データフィルタ名」になります。
含めるフィルタの場合、条件に一致するのは有効化後も残る側のデータです。そのため、印のあるデータが残る側と読めます。ただし、含めるフィルタでの印のつき方はヘルプに明記されていないため、実データで確かめます。
なお「有効」の説明文は、日本語の管理画面では「一致するデータは処理から除外されます」となっています。これは除外フィルタを前提にした表現です。含めるフィルタでは、ヘルプの説明どおり、一致しないデータが除外されると理解しておきます。
ヘルプでは、テスト状態にしてから24〜36時間たってから検証するよう案内されています。検証は探索レポートで行います。
- 「探索」で自由形式の探索を新規作成する
- ディメンションに「テスト データフィルタ名」「ホスト名」「イベント名」、指標に「イベント数」を追加する
- 「テスト データフィルタ名」とホスト名を行に置き、印のあるデータと印のないデータの両方を表示する
- 有効化後に残るデータと除外されるデータを、ホスト名ごとに確認する
確認したいのは、許可したはずのドメインのデータに印がついているかです。印のない行は、有効化後に除外されるデータと考えられます。ホスト名が空のイベントは、ホスト名ディメンションで「(not set)」などと表示される場合があります。件数とイベント名を見て、許容できるかを判断します。
問題がなければ、データフィルタの一覧に戻って状態を「有効」に切り替えます。ヘルプによると、フィルタは有効化から24〜36時間以内に適用され始めます。
9月29日:Google広告ユーザー向けのアプリコンバージョン対応
2026年9月29日付で、Google広告を利用しているプロパティ向けに、アプリコンバージョンの管理とレポートの改善が掲載されました。リリースノートの記載は次のとおりです。
- コンバージョンのレポートで、アプリのコンバージョンが完全にサポートされました。対象はパフォーマンス、アトリビューション分析、アトリビューションモデルです
- アプリのコンバージョンについて、アトリビューションの設定を個別に調整できるようになりました
- 一部のプロパティでは、まだ利用できない場合があります
- クロスチャネルの予算管理は、現時点ではウェブのコンバージョンのみに対応しています
アプリ広告をGoogle広告で配信し、GA4のコンバージョンを取り込んでいる場合に関係する更新です。ただし、管理画面上の具体的な場所はリリースノートに記載がなく、提供も段階的に進んでいます。
10月5日:ユーザーグループ管理API
2026年10月5日付で、User Groups Admin APIが掲載されました。アカウントやプロパティへのアクセス権を、ユーザーグループ単位でAPIから管理するための機能です。
- グループは一意の識別子で作成、編集、削除できます
- グループへのユーザーの追加と削除ができ、MemberまたはOwnerの権限を割り当てられます
- 利用には、組織に対するユーザー管理者または組織管理者の権限が必要です
担当者の入れ替わりが多い代理店や、多数のプロパティを抱える事業会社では、権限の棚卸しを自動化する手段になりえます。なお、開発者向けの変更履歴では2026年9月18日付の項目として記載されています。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な変更 | ホスト名フィルタに「含める」が追加(2026年9月21日掲載) |
| 従来 | 2026年6月11日から「除外」のみ利用可能 |
| 設定場所 | 管理>データの収集と修正>データフィルタ |
| 必要な権限 | プロパティの編集者以上 |
| 例外 | Measurement Protocolのイベントは対象外 |
| 注意点 | ホスト名が空のイベントはブロックされる |
| 検証方法 | テスト状態で24〜36時間おき、探索レポートで確認 |
| 不可逆性 | 有効化後に除外したデータはGA4にもBigQueryにも残らない |
| その他の更新 | アプリコンバージョンのレポート対応(9月29日)、ユーザーグループ管理API(10月5日) |
| 日本語版 | 2026年10月13日時点で、日本語版リリースノートは未反映 |
まず試すべき1アクション: 探索レポートで、過去90日にデータが届いたホスト名の一覧を出してください。自社ドメイン以外に何が並んでいるかを見れば、含めるフィルタが必要か、除外で足りるかを判断できます。ホスト名が空の行の件数も、この時点で控えておきます。
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参照元
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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