この用語集の使い方
検索広告(リスティング広告)には独自の専門用語が多く、はじめて触れる方は戸惑うことがあるかもしれません。この用語集では、実務で使う基本用語を6つのカテゴリに分類して解説します。
各用語は検索広告の基礎ガイドやGoogle広告の全体像と合わせて読むと、より理解が深まります。まずは以下の図で、主要な指標同士の関係を把握してください。
基本指標の関係図
検索広告の成果は「表示から成果まで」の流れで生まれます。各段階で用いる指標を確認しましょう。
この図のように、広告の成果は「表示 → クリック → CV」の流れで生まれます。各段階の効率を測る指標を理解しておくと、改善すべきポイントを特定しやすくなります。
アカウント構造に関する用語
検索広告のアカウントは階層構造になっています。以下の図で全体像を確認しましょう。
アカウント
検索広告を管理する最上位の単位です。Google広告ではGoogleアカウントに紐づき、Yahoo!広告ではYahoo! JAPANビジネスIDに紐づきます。請求情報やユーザー権限はアカウント単位で設定します。
キャンペーン
アカウントの下にある管理単位です。日予算、入札戦略、配信地域、配信スケジュールなどをキャンペーン単位で設定します。目的や予算が異なる施策ごとに分けるのが一般的です。
広告グループ
キャンペーンの下にある分類単位です。関連性の高いキーワードと広告をひとまとめにします。広告グループ単位で入札単価を設定できます。
キーワード
ユーザーが検索する語句に対して、広告を表示するために登録する単語やフレーズです。検索広告の根幹となる設定項目であり、適切なキーワード選定が成果を左右します。
検索クエリ(検索語句)
ユーザーが実際に検索窓に入力した語句です。登録キーワードとは異なり、表記ゆれや関連語を含みます。検索クエリレポートで確認できます。
除外キーワード
広告を表示したくない検索クエリを指定する設定です。無関係なクリックを防ぎ、広告費の無駄を抑えるために使います。
レスポンシブ検索広告(RSA)
複数の見出しと説明文を登録すると、機械学習で最適な組み合わせを自動的に表示する広告形式です。Google広告・Yahoo!広告ともに、現在の検索広告の標準フォーマットとなっています。
見出し(タイトル)
広告文の上部に表示される短いテキストです。RSAでは最大15個まで登録でき、最大3つが同時に表示されます。文字数上限は全角15文字(半角30文字)です。
説明文
見出しの下に表示されるテキストです。RSAでは最大4個まで登録でき、最大2つが同時に表示されます。全角45文字(半角90文字)以内で記載します。
表示URL
広告に表示されるURLです。実際のリンク先と異なるパス部分を設定して、ユーザーに遷移先の内容をわかりやすく伝えられます。
最終ページURL
広告をクリックしたユーザーが実際に遷移するページのURLです。ランディングページ(LP)のURLを指定します。
運用メモ アカウント構造の設計で迷ったら、まず「1広告グループ=1テーマ」の原則を守ることを優先してください。キーワードと広告の関連性が高まり、品質スコアの改善にもつながります。構造設計の詳細はGoogle広告のアカウント構造設計ガイドで解説しています。
指標に関する用語
広告の成果を測定・評価するための数値です。詳しい解説は広告指標ガイドも参照してください。
インプレッション(imp)
広告が検索結果画面に表示された回数です。ユーザーの目に触れた回数を示す、最も基本的な指標です。
クリック数(Click)
広告がクリックされた回数です。検索広告ではクリック=サイト訪問となるため、集客量の指標として使います。
クリック率(CTR / Click Through Rate)
インプレッションに対するクリックの割合です。CTR = クリック数 / インプレッション数 x 100(%)で計算します。広告の訴求力を測る指標です。
クリック単価(CPC / Cost Per Click)
1クリックあたりの広告費です。CPC = 広告費 / クリック数で計算します。検索広告の基本的な課金方式がCPC課金です。
コンバージョン(CV / Conversion)
広告経由で達成された成果のことです。購入、問い合わせ、資料請求、会員登録など、ビジネス上の目標達成をCVと呼びます。
コンバージョン率(CVR / Conversion Rate)
クリック数に対するCV数の割合です。CVR = CV数 / クリック数 x 100(%)で計算します。サイトやLPの成果効率を測ります。
コンバージョン単価(CPA / Cost Per Acquisition)
1件のCVを獲得するのにかかった広告費です。CPA = 広告費 / CV数で計算します。CPA = CPC / CVRという関係式も実務でよく使います。
広告費用対効果(ROAS / Return On Ad Spend)
広告費に対する売上の割合です。ROAS = 売上 / 広告費 x 100(%)で計算します。ECサイトなど売上データを計測できる場合に重視されます。
コンバージョン値
CVに紐づく金額です。ECの場合は購入金額、リード獲得の場合は想定LTVなどを設定します。ROASの計算に必要なデータです。
インプレッションシェア(IS)
広告が表示可能だった回数に対して、実際に表示された回数の割合です。IS = 表示回数 / 表示候補となった推定回数 x 100(%)で算出します。
予算によるインプレッションシェア損失率
日予算の不足により広告が表示されなかった割合です。この数値が高い場合、予算を増やすことで表示機会を増やせます。
ランクによるインプレッションシェア損失率
広告ランクの低さにより広告が表示されなかった割合です。品質スコアや入札単価の改善が必要です。
平均掲載順位(廃止済み)
かつてGoogle広告で使われていた指標で、現在は廃止されています。代わりにインプレッションシェアや上部表示率で掲載状況を確認します。
マッチタイプに関する用語
マッチタイプは、登録キーワードと検索クエリをどの程度一致させるかを制御する設定です。
完全一致
登録キーワードと同じ意味の検索クエリに対してのみ広告を表示します。記号は [キーワード] です。表示範囲が最も限定的ですが、意図に合った検索への配信精度が高くなります。
フレーズ一致
登録キーワードの意味を含む検索クエリに対して広告を表示します。記号は "キーワード" です。完全一致より広い範囲をカバーしつつ、関連性を保てます。
部分一致(インテントマッチ)
登録キーワードに関連する幅広い検索クエリに対して広告を表示します。記号は指定なし(デフォルト)です。Google広告では「インテントマッチ」とも呼ばれ、自動入札と組み合わせた活用が推奨されています。
絞り込み部分一致(廃止済み)
かつて存在したマッチタイプで、2021年にフレーズ一致に統合されました。記号は +キーワード でしたが、現在は使用できません。
入札・予算に関する用語
入札(Bid)
広告のクリック1回に対して支払ってもよい上限金額を設定することです。入札額と品質スコアによって広告ランクが決まります。
手動CPC入札
キーワードや広告グループごとに、上限クリック単価を手動で設定する入札方式です。細かい調整が可能ですが、運用の手間がかかります。
拡張CPC(eCPC)
手動CPCをベースに、CVの見込みが高い場合に入札単価を自動調整する方式です。手動と自動の中間的な位置づけです。
自動入札(スマート入札)
機械学習を活用して入札単価を自動で最適化する仕組みの総称です。Google広告では「スマート入札」とも呼ばれます。代表的な戦略には以下があります。
目標CPA入札
指定した目標CPA(コンバージョン単価)に収まるようCVを最大化する自動入札戦略です。一定のCV実績があるキャンペーンに適しています。
目標ROAS入札
指定した目標ROAS(広告費用対効果)を維持しながらCV値を最大化する自動入札戦略です。ECサイトなど売上データが計測できる場合に使います。
コンバージョン数の最大化
日予算内でCV数を最大化する自動入札戦略です。CPAの上限は指定しないため、初期はCPAが不安定になることがあります。
クリック数の最大化
日予算内でクリック数を最大化する自動入札戦略です。認知拡大やサイト流入を優先したい場合に使います。
日予算(1日の平均予算)
キャンペーン単位で設定する1日あたりの平均広告費の上限です。実際の日次の支出は設定額を超える日もありますが、月間では日予算 x 30.4日以内に収まります。
共有予算
複数のキャンペーンで1つの予算を共有する機能です。予算配分を柔軟に調整したい場合に使います。
入札調整比(入札単価調整)
デバイス・地域・時間帯・オーディエンスなど特定の条件で、入札単価を引き上げ・引き下げする設定です。手動入札や一部の自動入札で利用できます。
運用メモ 自動入札を導入する際は、過去30日間でCV数が30件以上あるキャンペーンから始めるのが安全です。学習データが少ない段階では入札が安定しにくいため、まずは手動CPCやクリック数の最大化で実績を積んでから移行を検討してください。詳しくはスマート入札の詳細ガイドをご覧ください。
品質に関する用語
品質スコア(Quality Score)
キーワードごとに1〜10で評価される、広告の品質を示す指標です。推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性の3要素で構成されます。Google広告の機能ですが、Yahoo!広告にも同様の「品質インデックス」があります。
推定クリック率
広告が表示された場合にクリックされる可能性の高さです。品質スコアの構成要素の1つで、「平均より上」「平均的」「平均より下」の3段階で評価されます。
広告の関連性
検索クエリと広告文の内容がどの程度一致しているかを示す評価です。品質スコアの構成要素の1つです。
ランディングページの利便性
広告をクリックした後のページが、ユーザーにとってどの程度有用かを示す評価です。ページの読み込み速度、モバイル対応、コンテンツの関連性などが考慮されます。
広告ランク
広告の掲載順位を決めるスコアです。入札単価 x 品質スコア(+広告表示オプションの効果)で算出されます。広告ランクが高いほど上位に掲載されます。
オークション
検索が行われるたびに実施される、広告掲載枠の割り当て処理です。広告ランクに基づいて掲載順位と実際のクリック単価が決まります。
上限クリック単価(上限CPC)
1クリックに対して支払ってもよい最大金額です。実際のCPCは通常、上限CPCより低くなります。
実際のCPC(実際のクリック単価)
オークションの結果、実際に課金されたクリック単価です。通常は上限CPCより低い金額になります。
広告表示オプション(アセット)に関する用語
広告表示オプション(Google広告では「アセット」に名称変更)は、広告に追加情報を付与して表示面積を拡大する機能です。
サイトリンク(サイトリンクアセット)
広告の下に追加のリンクを表示する機能です。サービスページやキャンペーンページなど、複数の遷移先を提示できます。
コールアウト(コールアウトアセット)
「送料無料」「24時間対応」など、短いテキストで訴求ポイントを追加表示する機能です。リンクは設定できません。
構造化スニペット
「サービス: SEO対策, 広告運用, Web制作」のように、カテゴリに沿った情報をリスト形式で表示する機能です。
電話番号表示オプション(電話アセット)
広告に電話番号を表示し、モバイルではタップで直接発信できる機能です。電話問い合わせを重視するビジネスに有効です。
住所表示オプション(住所アセット)
Googleビジネスプロフィールと連携し、広告に住所や地図リンクを表示する機能です。来店を促したい実店舗ビジネスで活用します。
価格表示オプション(価格アセット)
商品やサービスの価格帯を広告内に表示する機能です。料金体系を事前に伝えることで、関心度の高いユーザーのクリックを促せます。
プロモーション表示オプション
セールや割引情報を広告に追加表示する機能です。期間限定のキャンペーン情報を目立たせたい場合に使います。
画像表示オプション(画像アセット)
検索広告にサムネイル画像を追加表示する機能です。テキストだけでは伝えにくい商品の外観やイメージを補完できます。
その他の重要用語
コンバージョンタグ
WebサイトにCV計測用のコードを埋め込む仕組みです。Google広告ではグローバルサイトタグやGoogleタグ、Yahoo!広告ではサイトジェネラルタグと呼ばれます。
コンバージョンウィンドウ(計測期間)
広告クリック後、何日間以内に発生したCVを広告の成果としてカウントするかの期間設定です。Google広告のデフォルトは30日間です。
アトリビューション(貢献度)
CVに至るまでの複数の広告接触に対して、どの接点にどれだけの貢献度を割り当てるかの考え方です。Google広告ではデータドリブンアトリビューションが標準になっています。
リマーケティング(リターゲティング)
一度サイトを訪問したユーザーに対して、再度広告を配信する手法です。Google広告では「リマーケティング」、Yahoo!広告では「サイトリターゲティング」と呼びます。
検索パートナー
GoogleやYahoo!以外の、検索広告が配信される提携先サイトです。Google検索パートナーにはlivedoorやBIGLOBEなどが含まれます。
広告のローテーション
同じ広告グループ内に複数の広告がある場合、どの広告を表示するかを制御する設定です。「最適化」(成果の良い広告を優先)か「均等配信」を選択できます。
広告カスタマイザ
広告文内にキーワードや地域名、カウントダウンなどを動的に挿入する機能です。広告の関連性を高めるのに役立ちます。
広告プレビューと診断ツール
実際に検索せずに、特定のキーワードで広告がどのように表示されるかを確認できるツールです。インプレッションを発生させずに表示状況を診断できます。
MCC(マイクライアントセンター)
複数のGoogle広告アカウントを一元管理するための管理者アカウントです。代理店や複数ブランドの運用で使います。
まとめ
検索広告の用語は、実際の運用業務の中で繰り返し触れることで自然と身につきます。すべてを一度に覚える必要はありません。困ったときにこのページを辞書代わりに参照してください。
用語の理解が深まったら、以下の記事でさらに実践的な知識を身につけましょう。
- 検索広告の基礎ガイド - 仕組みとキーワード設計の考え方
- Google広告の全体像 - Google広告のキャンペーンタイプと機能
- 広告指標の見方ガイド - 各指標の読み解き方と判断基準
- Google広告のアカウント構造設計ガイド - 効果的なアカウント構造の設計方法