LINE広告のアカウント構造設計ガイド|キャンペーン目的別の設計と友だち追加の使い分け

LINE広告のアカウント階層構造

LINE広告のアカウントは「広告アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「広告」の4階層で構成されています。各階層の役割を理解することが、設計の出発点です。

広告アカウント請求先・LINE公式アカウント連携・権限キャンペーンA目的・上限予算キャンペーンB目的・上限予算広告グループ1ターゲティング・入札広告グループ2ターゲティング・入札広告(クリエイティブ)広告(クリエイティブ)キャンペーン=目的・予算 / 広告グループ=ターゲティング・入札・配信面 / 広告=クリエイティブ・LP

各階層で管理する設定は以下のとおりです。

  1. 広告アカウント: 請求先情報、LINE公式アカウントとの連携、ユーザー権限を管理します。LINE Tag(計測タグ)の発行もここで行います
  2. キャンペーン: 配信の「目的」と「上限予算」を設定します。目的はキャンペーン作成後に変更できないため、最初の選択が重要です
  3. 広告グループ: ターゲティング(オーディエンス・地域・年齢・性別)、入札方法、配信面、配信スケジュールを設定します
  4. 広告: クリエイティブ(画像・動画)とランディングページのURLを登録します

Google広告やMeta広告と異なる点として、LINE広告では入札設定がキャンペーン単位ではなく広告グループ単位です。同じ目的のキャンペーン内で、広告グループごとに入札戦略を変えられます。

広告アカウントとLINE公式アカウントの関係

LINE広告を配信するには、LINE公式アカウントとの連携が必須です。1つの広告アカウントに対して1つのLINE公式アカウントを紐づけます。

友だち追加キャンペーンを運用する場合、このLINE公式アカウントが友だち追加の受け皿になります。複数のLINE公式アカウントに広告配信したい場合は、広告アカウント自体を分ける必要があります。

LINE Tagの設置

Webサイトでのコンバージョン計測には、LINE Tagの設置が必要です。LINE Tagには3種類あります。

  • ベースコード: サイト全体に設置する基本タグ
  • コンバージョンコード: コンバージョン完了ページに設置
  • カスタムイベントコード: 特定のユーザー行動を計測するタグ

これらを正しく設置することで、コンバージョンの計測やオーディエンスの作成が可能になります。

キャンペーン目的の種類と選び方

LINE広告のキャンペーン目的は、広告配信の最適化対象を決める設定です。目的によって利用できる入札方法や課金形態が異なります。

目的の一覧と特徴

LINE広告で選択できる主なキャンペーン目的は以下のとおりです。

キャンペーン目的最適化対象主な課金形態用途
ウェブサイトへのアクセスクリックCPCサイト誘導
ウェブサイトコンバージョンコンバージョンCPC購入・申込の獲得
アプリのインストールインストールCPC / CPIアプリDL促進
友だち追加友だち追加CPFLINE公式アカウントの友だち獲得
動画の再生動画再生CPV動画視聴の促進
リーチインプレッションCPM認知拡大

最も利用されるのは「ウェブサイトコンバージョン」と「友だち追加」の2つです。それぞれの目的に応じて、配信アルゴリズムの最適化が変わります。

目的選びで押さえるポイント

キャンペーン目的を選ぶ際の判断基準は「何を成果指標にするか」です。

Webサイトでの購入や申込を増やしたいなら「ウェブサイトコンバージョン」を選びます。LINE公式アカウントの友だちを増やしてメッセージ配信やCRM施策につなげたいなら「友だち追加」が適しています。

目的は途中で変更できないため、施策のゴールが曖昧なまま作成しないことが大切です。

目的別のキャンペーン設計パターン

ビジネスの目標に応じて、キャンペーン構造の設計パターンが変わります。ここでは代表的な3つのパターンを紹介します。

パターン1Webコンバージョン型目的: WebサイトCV広告GR: 類似CV類似3%広告GR: リタゲサイト訪問者LP: 商品ページ / 申込フォームLINE Tagでコンバージョン計測EC・リード獲得・資料請求などパターン2友だち追加型目的: 友だち追加広告GR: 類似友だち類似3%広告GR: 興味関心カテゴリ遷移先: LINE公式アカウント友だち追加で課金(CPF)メッセージ配信・CRM施策の基盤づくりパターン3併用型2つのキャンペーンを併用CP: WebCV直接CVを獲得CP: 友だち将来の顧客基盤短期CV + 中長期CRMそれぞれ独立して予算管理EC + リピート促進来店 + 再来店促進

パターン1: Webコンバージョン型

ECサイトの購入、資料請求、問い合わせなど、Webサイト上の成果を直接追求する構成です。

キャンペーン目的は「ウェブサイトコンバージョン」を選択します。広告グループは、ターゲティング手法ごとに分けるのが基本です。たとえば、コンバージョン類似オーディエンスの広告グループと、サイト訪問者へのリターゲティング広告グループを分離します。

この構成では、LINE Tagによるコンバージョン計測の設定が前提になります。

パターン2: 友だち追加型

LINE公式アカウントの友だちを増やし、メッセージ配信やクーポン施策につなげる構成です。

キャンペーン目的は「友だち追加」を選択します。課金形態はCPF(Cost Per Friends)で、ユーザーが友だち追加を完了した時点で課金されます。広告をクリックしただけでは費用が発生しない点が特徴です。

友だち追加後のメッセージ配信シナリオまでセットで設計すると、獲得した友だちの活用効率が高まります。

パターン3: 併用型

WebコンバージョンとCRMの両方を追求する場合は、目的の異なる2つのキャンペーンを並行して運用します。

キャンペーンの目的は作成後に変更できないため、1つのキャンペーンで両方の目的を達成することはできません。予算配分を独立して管理できるメリットもあります。

友だち追加とWebコンバージョンの使い分け

「友だち追加」と「ウェブサイトコンバージョン」は、LINE広告で最も使われる2つの目的です。どちらを選ぶべきかは、ビジネスモデルと顧客との関係構築の方針によって変わります。

友だち追加が向いているケース

  • リピート購入が見込める商材: 化粧品、食品、サプリメントなど定期購入につながる商品
  • 来店型ビジネス: 飲食店、美容院、小売店など、クーポン配信で再来店を促進できる業態
  • 検討期間が長い商材: 不動産、自動車、教育サービスなど、段階的に情報提供して関係を構築したいケース
  • Webサイトのコンバージョンポイントが弱い場合: LPの作り込みが不十分でも、友だち追加なら比較的ハードルが低い

友だち追加のCPF相場は、業種にもよりますが100〜300円程度が一般的な目安です。

Webコンバージョンが向いているケース

  • ECサイトでの即時購入を狙う場合: 商品ページへの直接誘導で購入を促す
  • 明確なコンバージョンポイントがある場合: 資料請求フォーム、会員登録、予約フォームなど
  • LINEメッセージ配信の運用リソースがない場合: 友だちを獲得しても活用できなければ意味がない
  • 短期的な成果が求められる場合: 即座に売上や申込に直結させたいキャンペーン

判断のフローチャート

迷った場合は、以下の順で考えます。

  1. Webサイトに明確なコンバージョンポイントがあるか
  2. 友だち追加後のメッセージ配信シナリオを運用できるか
  3. 顧客との継続的な関係構築が必要な商材か

1が「はい」で2が「いいえ」なら、Webコンバージョンを優先します。2と3が「はい」なら友だち追加を検討します。両方の条件が揃うなら、併用型が有効です。

広告グループの設計ポイント

LINE広告では、広告グループがターゲティングと入札の設定単位です。広告グループの分け方がパフォーマンスに直結します。

キャンペーン: WebサイトCV広告GR: 類似オーディエンスCV類似 / 友だち類似類似度: 1〜5%(小さいほど精度高)新規ユーザーの開拓に有効広告GR: リターゲティングサイト訪問者 / カート放棄LINE Tagでオーディエンス作成CVに近いユーザーへ再アプローチ広告GR: オーディエンス配信興味関心 / 属性ターゲティングLINE独自のデモグラ・興味データ幅広い新規層へのリーチ広告グループ分割の判断基準ターゲティング手法が異なる / 入札単価を変えたい / 配信面を限定したい同じターゲティングで素材違いだけなら、同一広告グループ内に複数広告を入れる

ターゲティング手法ごとに分ける

広告グループを分ける基本方針は「ターゲティング手法ごとに1広告グループ」です。

類似オーディエンス、リターゲティング、興味関心ターゲティングはそれぞれ配信対象が異なります。同じ広告グループに混在させると、どのターゲティングが成果に貢献しているか判断できなくなります。

一方、同じターゲティング設定でクリエイティブだけを変えてテストしたい場合は、同一の広告グループ内に複数の広告を入れます。

入札と最適化の考え方

LINE広告の自動入札は、広告グループ単位でコンバージョンデータを学習します。広告グループを細かく分けすぎると、1つあたりのデータ量が不足し、最適化の精度が下がります。

目安として、1広告グループで月40件以上のイベント(クリックやコンバージョン)が発生する規模を維持しましょう。データ量が不足する場合は、広告グループの統合を検討します。

配信面の選択

広告グループ単位で配信面を選択できます。デフォルトでは「自動配置」が推奨されていますが、配信結果を見て特定の配信面を除外する判断も必要です。

トークリスト広告は視認性が高い一方でクリック単価も上がりやすく、LINE NEWSやLINE VOOMはリーチを広げやすい傾向があります。

命名規則と運用のコツ

アカウントが拡大しても管理しやすい状態を保つために、命名規則を最初に決めておくことが重要です。

LINE広告の命名規則テンプレートキャンペーン名[目的]_[商材/サービス名]WebCV_化粧品_トライアル友だち追加_美容院_新規アクセス_コラム記事_認知目的が一目でわかるように先頭に記載広告グループ名[ターゲティング種別]_[詳細]類似_CV3%_女性25-44リタゲ_サイト訪問30日興味_美容コスメ_全国ターゲティングの内容を具体的に記載

命名規則のポイント

命名規則を設計する際に意識すべき点は3つです。

  • 目的を先頭に置く: キャンペーン名の先頭にキャンペーン目的を入れると、一覧表示で目的別に整理しやすくなります
  • ターゲティング情報を含める: 広告グループ名にターゲティング種別と詳細条件を入れると、管理画面を開かなくても配信対象がわかります
  • 区切り文字を統一する: アンダースコアやハイフンなど、チーム内でルールを統一しましょう

運用開始時に確認すべき設定

キャンペーン作成時に見落としがちな設定をまとめます。

  • 配信期間: 終了日を設定しないと無期限で配信され続けます。テスト配信の場合は必ず終了日を入れましょう
  • 日予算と通算予算: キャンペーン単位で上限予算を設定できます。月間予算から逆算して日予算を設定するのが基本です
  • 入札上限の有無: 自動入札を使う場合でも、入札上限を設けるかどうかを検討します。上限が低すぎるとオークションに参加できず配信量が出ない場合があります
  • フリークエンシーキャップ: 同じユーザーへの表示回数を制限する設定です。広告グループ単位で設定できます

まとめ

  • LINE広告は「広告アカウント > キャンペーン > 広告グループ > 広告」の4階層で構成され、入札設定は広告グループ単位で行う
  • キャンペーン目的は作成後に変更できないため、「ウェブサイトコンバージョン」と「友だち追加」のどちらが適切かを施策のゴールから判断する
  • 友だち追加はリピート商材や来店型ビジネスに、Webコンバージョンは即時の成果獲得に向いており、両方を追求する場合は併用型で設計する
  • 広告グループはターゲティング手法ごとに分け、1広告グループあたりのデータ量を十分に確保する
  • 命名規則は最初に決めておくことで、アカウント拡大後も管理しやすい状態を維持できる
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SIGNALZ

運用型広告の実務経験をもとに、体系的なナレッジを発信しています。

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