ChatGPT広告は、OpenAIのセルフサーブ管理画面「Ads Manager」から直接出稿できます。日本の広告主も2026年6月末から対象になりました。この記事では、アカウント開設からキャンペーン作成までの流れを手順で解説します。
広告の仕組みやターゲティングの前提はChatGPT広告(OpenAI Ads Manager)完全ガイドにまとめています。本記事は「実際に出稿する手順」に絞って整理します。
3つの出稿経路を理解する
ChatGPT広告への出稿には、3つの経路があります。自社の状況に合わせて選びます。
| 経路 | 向いているケース | 特徴 |
|---|---|---|
| OpenAI Ads Manager(直接) | 自社運用したい広告主 | セルフサーブ。最低支出要件なし、日額2,500円から |
| 代理店経由(マネージド) | 運用を委託したい広告主 | 日本では電通デジタル・博報堂DYワン・サイバーエージェントが支援 |
| Criteo経由 | 既存のCriteoクライアント | Criteo GOから配信。商品フィード活用に強み |
この記事は、1つ目のOpenAI Ads Managerからの直接出稿を扱います。管理画面は ads.openai.com からアクセスします。
アカウント開設の流れ
セルフサーブでの出稿は、アカウント申請から始まります。承認を経て管理画面が利用可能になります。
- OpenAIアカウント(業務用メールアドレス推奨)で ads.openai.com にサインインする
- 広告主アカウント情報を入力し、申請を送信する(アカウントオーナー1名を設定)
- OpenAIの審査を経て、承認後にAds Managerが利用可能になる
セルフサーブが利用できる地域は、オーストラリア・カナダ・日本・韓国・ニュージーランド・英国・米国の7カ国です。
キャンペーンの3層構造
Ads Managerは、Google広告に似た3層構造で管理します。上位から順に、キャンペーン・広告グループ・広告です。
キャンペーンで大枠(目的・予算・地域)を決め、広告グループでターゲティング(コンテキストヒント)を、広告でクリエイティブを設定します。
キャンペーンを作成する
キャンペーン作成では、次の項目を設定します。予算タイプは後から一方向にしか変更できないため、最初の判断が重要です。
| 項目 | 設定内容 |
|---|---|
| キャンペーン名 | 管理しやすい命名で |
| タイプ | 標準 or 商品フィード |
| 目的 | クリック(CPC)/インプレッション(CPM)/コンバージョン(CPA)※コンバージョンは項目はあるが2026年7月時点では提供前で利用不可 |
| 対象地域 | 米国は州・DMA・ZIP、その他は国レベル |
| 予算 | 1日の平均予算(最低2,500円)or キャンペーン合計予算 |
| スケジュール | 配信期間 |
予算タイプ(日別 or キャンペーン合計)はキャンペーン作成時に決定され、後から変更できません。
広告グループを作成する
親キャンペーンを選び、広告グループ名と入札額を設定します。中心となる設定はコンテキストヒントです。
コンテキストのヒント欄には、商材に関連する会話・トピックを自然言語で記述します。単語の羅列ではなく、ユーザーの状況やニーズを文章で書くのがポイントです。1広告グループ1テーマを守ります。
詳しい設計方法はChatGPT広告のコンテキストヒント設計ガイドで解説しています。
広告を作成する
広告では、スポンサーカードの各要素を入力します。表示時に文末が切れる配置もあるため、重要な訴求は前半に置きます。
| 要素 | 仕様 |
|---|---|
| 広告名 | 管理用の名称 |
| タイトル | 50文字以内 |
| 説明 | 100文字以内 |
| 画像 | 1:1(正方形)、最小256×256px、JPEG/PNG/WEBP |
| リンク先URL | HTTPS必須 |
画像はHTTPSで公開配信されている必要があります。1広告グループに複数の広告を入れて、クリエイティブを比較できます。
商品フィードキャンペーン(EC事業者向け)
EC事業者は、商品カタログから広告を自動生成する商品フィードキャンペーンを利用できます。既存のGoogle Merchant Centerフィードをそのまま使える点が特徴です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| フィード形式 | Google Merchant Center互換(再フォーマット不要) |
| 最大商品数 | 1フィードあたり200万件 |
| アップロード | SFTP経由 |
| グルーピング | ads_metadataフィールドで整理 |
Googleショッピング広告を運用中なら、新たにフィードを作り直さずに試せます。フィードの基本はショッピング広告のフィード設計ガイドも参考になります。
会話型広告(Conversational Ads)
会話型広告(Conversational Ads)は、静止画やカードではなく、ChatGPT内で対話が開く新しいフォーマットです。ユーザーが広告に反応すると、ブランド独自のアシスタントとの会話が始まります。2026年7月時点では、一部の広告主だけが対象のアーリーベータとして提供されています。
静止広告との違い
通常のスポンサーカードは、タップするとランディングページへ遷移します。会話型広告では、遷移の代わりにChatGPT内で会話が開きます。アシスタントは、広告主が設定した指示と参照情報にもとづいて応答します。
| 項目 | スポンサーカード(静止) | 会話型広告(Conversational) |
|---|---|---|
| 反応時の挙動 | ランディングページへ遷移 | ChatGPT内で会話が開く |
| 用意するもの | タイトル・説明・画像 | ブランドアシスタント(指示・参照情報) |
| ユーザー体験 | サイトで情報取得・行動 | 会話で質問・比較・行動 |
| 提供状況 | 一般提供 | 一部広告主のアーリーベータ |
ユーザーは会話の中で質問したり、商品を見比べたり、サイト訪問や購入などの行動へ進めます。
設定手順
会話型広告は、アカウントに機能が開放されている場合のみ、キャンペーン作成時に選択肢として表示されます。手順は次のとおりです。
- Ads Managerで「Create Campaign」を選び、目的(objective)で「Conversational」を選ぶ(利用可能な場合)
- ブランドアシスタントの情報を設定する
- ターゲティングと予算を、他のキャンペーンと同様に設定する
- 審査に提出する(Submit for review)
ブランドアシスタントの設定では、次の情報を登録します。
| 設定項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前・説明 | アシスタントの名称と概要(name / description) |
| 指示・ガイドライン | どう応答するかの方針(instructions) |
| 商品・カタログ情報 | アシスタントが参照する商材データ |
審査と公開
会話型広告も、OpenAIの標準的な広告審査を通ります。アシスタントの設定が複雑なほど、審査に時間がかかる場合があります。承認後は、ターゲティング設定に応じて配信が始まり、他の広告と同じようにAds Managerで成果を確認できます。
Audience ToolsとCreative Tools
2026年6月17日に公開されたAd Tools Termsでは、2つの任意機能が定義されました。運用の幅を広げる要素として押さえておきます。
- Audience Tools:自社のファーストパーティデータをアップロードして活用する機能
- Creative Tools:AIによる広告クリエイティブ生成を支援する機能
いずれも任意利用です。まずは基本のキャンペーン設計を固めたうえで、必要に応じて検討します。
出稿前チェックリスト
配信を開始する前に、最低限の項目を確認します。
- アカウントが承認され、ロール権限を設定した
- キャンペーンの目的と予算タイプを確定した(予算タイプは一方向のみ変更可)
- 広告グループを1テーマ単位で分けた
- コンテキストヒントを状況描写として記述した
- タイトル50文字・説明100文字・画像1:1の仕様を満たした
- リンク先URLがHTTPSで、計測タグを設置した
- 商材が広告ポリシーの許可カテゴリに該当するか確認した
計測タグの実装はChatGPT広告のコンバージョン計測ガイドを参照してください。
まとめ
OpenAI Ads Managerからの出稿は、アカウント開設・キャンペーン・広告グループ・広告という流れで進みます。押さえるべき要点は次の5つです。
- 出稿経路は直接・代理店・Criteoの3つ。自社運用なら直接出稿を選ぶ
- 予算タイプは一方向にしか変更できないため、作成時に確定させる
- 広告グループは1テーマ単位で分け、コンテキストヒントで狙いを定める
- パフォーマンス目的なら、計測の実装を先に済ませてCPA入札の前提を整える
- 会話型広告(Conversational Ads)はアーリーベータ。アカウントに開放されていれば、アシスタント設計を軸に試せる