MMPとは
MMP(Mobile Measurement Partner、モバイル計測パートナー)は、アプリ広告の成果を媒体横断で測る中立的な計測企業です。アプリにMMPのSDKを組み込み、どの媒体経由でインストールやイベントが発生したかを一元的に記録します。
各広告媒体は、自社の管理画面でしか成果を出しません。複数媒体を併用すると、同じインストールを別々の媒体が自分の成果として計上してしまいます。
MMPはこの重複を排除し、媒体をまたいだ公平なアトリビューションを提供します。アプリ広告の効果測定に欠かせない存在です。
なぜMMPが必要なのか
媒体ごとの管理画面だけを合算すると、実際のインストール数より多い数字になりがちです。原因は、複数媒体が同じ成果を二重に主張することにあります。
MMPを介すると、あらかじめ定めたルールに従って1つのインストールを1つの媒体に帰属させます。これにより、媒体間の予算配分を正しい成果に基づいて判断できます。
主要なMMP
アプリ広告で広く使われている主要なMMPを整理します。機能は共通する部分が多く、対応媒体や分析機能で選ばれます。
| MMP | 特徴の傾向 |
|---|---|
| AppsFlyer | 対応媒体が広く、ディープリンク(OneLink)などの機能が充実 |
| Adjust | 計測とアンチフラウド機能に強み |
| Singular | 計測とコストデータの統合に特色 |
| Branch | ディープリンクとリンク管理を軸に展開 |
| Kochava | 独立系の計測プラットフォームとして展開 |
導入時は、自社が使う媒体への対応状況と、必要な分析機能を基準に選定します。
アトリビューションの仕組み
MMPは、どの接点がインストールに貢献したかを判定します。基本となるのがラストクリックとビュースルーの考え方です。
- ラストクリック: インストール前の最後のクリックを成果の起点とみなします。クリックを優先して評価します。
- ビュースルー: クリックがない場合に、広告の表示(インプレッション)を一定期間内で評価します。
多くのMMPは、まずクリックを探し、なければビュースルーを見る優先順位で動きます。それぞれに有効期間(ルックバックウィンドウ)が設定され、期間を過ぎた接点は評価されません。
ディープリンクの役割
MMPはアトリビューションだけでなく、ディープリンクの管理も担います。ディープリンクは、広告のタップからアプリ内の特定画面へ直接遷移させる仕組みです。
たとえばAppsFlyerのOneLinkは、アプリ未インストールならストアへ、インストール済みなら目的の画面へと出し分けます。1つのリンクで両方の状態に対応できます。
適切なディープリンク設計は、遷移後の離脱を減らし、CVR改善につながります。再エンゲージメントの施策でも重要な役割を果たします。
導入時の注意点
MMPは計測の土台になるため、導入時の設計が後の分析精度を決めます。押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 成果とみなすアプリ内イベントを事前に定義する
- 各媒体との連携(コスト・イベント送信)を漏れなく設定する
- ルックバックウィンドウの設定を媒体間でそろえる
- iOSではSKAdNetworkとの併用を前提に設計する
計測がずれると、その後の予算配分の判断もずれてしまいます。導入時の確認を丁寧に行うことが重要です。