この記事でわかること
- 検索広告とP-MAXはキャンペーンの種類であり、検索広告でも入札を自動化できます。予算配分の前に成果の定義と配信の制約を確認します。
- 増額先は平均ROASだけで判断せず、追加予算で得る成果を見積もります。総額固定の再配分では、減額先で失う成果と全体への影響も評価します。
- 予算を継続・増額・検証の役割で整理し、検証期間と投資額の上限を決めます。この整理は本稿の提案で、Googleの公式分類ではありません。
生成AIによる要約
Google広告の予算配分で、「検索広告とP-MAXを何対何にすればよいか」と迷う場面があります。成果のよいキャンペーンを増額したい。でも、増やした分まで同じ効率で獲得できるとは限りません。
配分を考えるときは、成果の定義をそろえ、追加予算で得られる成果を見積もります。新しい施策には、評価できるまで続けられる予算も必要です。この3点から、検索広告とP-MAXへの配分を組み立てます。
検索広告も自動化できる
予算配分を「手動と自動化の割合」と捉える前に、分類を整理しましょう。検索広告とP-MAXはキャンペーンの種類です。個別クリック単価とスマート自動入札は、入札方法の違いを指します。
検索キャンペーンでも、コンバージョン数の最大化や目標広告費用対効果などを利用できます。スマート自動入札は、オークションごとに入札単価を最適化する仕組みです。
一方、P-MAXは複数の広告チャネルにまたがって配信します。入札に加え、掲載先やアセットの組み合わせなども自動化します。
参考:Google広告ヘルプ:P-MAXキャンペーンについて
つまり、検索キャンペーンを残す判断と、入札を手動にする判断は別々です。検索語句に合わせて訴求を設計しながら、入札は自動化する運用もできます。
「何を人が指定したいのか」を先に決めると、選択肢が整理されます。キーワードや広告文を細かく設計したいのか、クリック単価を直接管理したいのか。それぞれに必要な設定を選びます。
予算配分の前に、成果の定義をそろえる
検索広告は商談につながったお問い合わせ、P-MAXはフォーム送信を評価していたとします。この2つの獲得単価を、そのまま比較することはできません。
Google広告では、通常、キャンペーンで使用する目標のメインのコンバージョンが入札に使われます。サブのコンバージョンは観測用ですが、カスタム目標に含めると入札にも使われます。
参考:Google広告ヘルプ:メインとサブのコンバージョンアクション
予算を動かす前に、各キャンペーンが何を増やそうとしているかを確認しましょう。購入とカート追加、有効な商談とすべてのフォーム送信では、事業にとっての価値が異なります。
本稿では、配分の評価指標をできるだけ事業の成果に近づけることを勧めます。ECなら売上に加えて粗利や返品、リード獲得なら商談化率も確認する考え方です。これらは、Googleが指定する一律の配分ルールではありません。
増額で配信を伸ばせる状態かを確認する
成果の定義がそろったら、配信を制限している要因を確認します。予算が不足している場合と、入札目標が厳しすぎる場合では、対応が異なります。
Googleは、予算が十分に使われていない原因として、少ない検索量や厳しい入札目標などを挙げています。目標ROASが高すぎる場合などは、予算だけを増やしても配信が増えるとは限りません。
予算による制限があり、採算も合っているなら、増額による追加成果を検討します。予算に余裕がある場合は、入札目標や配信対象を先に確認しましょう。目標を緩める場合にも、事業として許容できる採算の範囲を決めておきます。
平均ROASより「次の予算」の成果を見る
現在の広告費用対効果(ROAS)が高いキャンペーンほど、増額先として魅力的に見えます。ただ、その数値は、これまでの広告費全体に対する平均です。
Googleも、追加の広告費に対する追加の成果を「限界ROI」として説明しています。追加成果の獲得単価(CPA)は限界CPA、追加の売上や価値に対する効率は限界ROASです。
参考:Google広告ヘルプ:平均ROIではなく限界ROIで最適化する
たとえば、次のような予測があるとします。数値は考え方を示す架空の例です。購入の計測条件と商品の粗利率は同じとします。
| 比較する項目 | 検索キャンペーン | P-MAX |
|---|---|---|
| 現在の広告費 | 50万円 | 50万円 |
| 現在の広告経由売上 | 250万円 | 200万円 |
| 現在の平均ROAS | 500% | 400% |
| 10万円を増額した場合の追加売上予測 | 20万円 | 35万円 |
| 追加分のROAS | 200% | 350% |
平均ROASでは検索キャンペーンが上回っています。しかし、追加の10万円に対する予測ではP-MAXが上です。追加分のROASが事業の採算基準を満たすなら、P-MAXが増額候補になります。
この予測を考える材料が、予算シミュレータやパフォーマンスプランナーです。Googleは、予算変更に伴うコンバージョン数や獲得単価の予測に使えると案内しています。
総予算を増やせず、検索からP-MAXへ10万円を移す場合は、減額する側も評価します。P-MAXで35万円の売上増を見込めても、検索で40万円の売上を失うなら、全体では減収です。再配分では、増額先で得る成果と減額先で失う成果を比べます。
検索の減額でP-MAXの配信先が変わる場合もあるため、別々の予測値を引き算するだけでは不十分です。両者を変更した場合の全体成果で確かめます。
ただし、予測は成果の保証ではありません。増額後には、同じ指標で実績を確認します。また、単純な前後比較だけでは、季節性や他施策の影響を切り離せません。増えた売上のすべてを、増額の効果と断定しないことも必要です。
固定比率を決める前に、予算の役割を決める
確認したGoogle公式資料には、「検索70%、P-MAX30%」のような共通の正解は示されていません。本稿では、予算に3つの役割を持たせて考える方法を提案します。
| 予算の役割 | 決める内容 | 見直しの基準 |
|---|---|---|
| 継続するための予算 | 現在の成果を支える配信をどこまで維持するか | 採算と必要な獲得量を満たしているか |
| 成果を伸ばすための予算 | 追加成果が見込めるキャンペーンにいくら増額するか | 追加分の効率が採算に合うか |
| 検証するための予算 | 新しい配信方法を、どの期間と指標で試すか | 判断に必要なデータを集められるか |
これは予算管理上の整理です。3種類のキャンペーンを新設する意味ではありません。
検索広告にも成果を伸ばす役割はあります。P-MAXが安定して成果を出していれば、継続する予算の対象です。名称だけで「検索は維持、P-MAXは検証」と固定しないほうが、実績に沿って配分できます。
たとえば、6週間の検証に使える総額が20万円だとします。想定CPAが5,000円なら、単純計算では40件を見込む計画です。想定CPAが2万円なら10件にとどまります。いずれも架空の試算で、成果や判断に十分な精度を保証する件数ではありません。
このように、金額、期間、見込める件数を一緒に確認します。残った金額を少額ずつ配り、多数の施策を同時に試すと、各施策の判断材料が不足しかねません。
予算が小さい場合は、検証対象を1つに絞るのが本稿の提案です。配分比率は、必要な継続額と検証額を積み上げた結果として決まります。
P-MAXの成果は、検索広告と合わせて評価する
P-MAXの獲得が増えても、検索広告が同じだけ減っていれば、全体の上積みは小さいかもしれません。キャンペーン単体の数値に加え、同じ成果指標で全体を見る必要があります。
検索広告とP-MAXには、配信の優先ルールもあります。検索語句と同一の完全一致キーワードがある場合は、検索キャンペーンが優先されます。ただし、検索側が予算による制限を受けている場合などは例外です。
参考:Google広告ヘルプ:P-MAXと他のキャンペーンの連携
「検索が減り、P-MAXが増えた」という変化には、こうした配信の移動も関係します。本稿では、指名検索の内訳、検索側の予算制限、全体の購入数や商談数を合わせて確認することを勧めます。
Google広告には、P-MAXを追加した効果を測る実験もあります。ただし、実験の種類や対象には条件があります。実験FAQでは、Merchant Centerの商品フィードを使うP-MAXは、上積みを測る実験の対象外とされています。利用可能な実験を確認したうえで、比較方法を選びます。
評価できるまでの期間も、予算に含める
検証予算は、開始できる金額だけで決めると不足する場合があります。成果が反映されるまで配信を続け、判断できる期間を確保する必要があるためです。
Googleは、P-MAXの全業種向けの推奨事項で、少なくとも6週間の配信を案内しています。一律に6週間で結論が出るという意味ではありません。購入や商談までの時間が長い場合は、その遅れも見込みます。
データ量についても、利用条件と評価の目安を区別しましょう。スマート自動入札のヘルプにある「30件、目標ROASでは50件」は、評価期間内のコンバージョン数の推奨です。すべての自動入札に共通する導入必須条件ではありません。
検証前には、次の3点を書き出しておくと、途中の迷いを減らせます。
- 判定する成果と、採算の基準
- 評価期間と、計測の遅れを踏まえた判定日
- 投資額の上限と、計測不備などで中断する条件
学習期間を待つことと、問題を放置することは別です。計測の不備や想定外の配信を見つけたら、期間の途中でも原因を確認します。
「検索とP-MAXを何対何にするか」と迷ったら、まず現在の成果を支える額を確認します。そのうえで、追加成果の見込みと、検証に必要な額を積み上げましょう。この順番なら、予算配分を事業の判断として説明しやすくなります。
公式情報の確認日:2026年9月10日。
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参照元
ryottaman
広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。
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