カルーセル広告は、1つの広告枠の中で複数のカード(画像や動画)を横スワイプで見せるフォーマットです。ユーザーが指で操作しながら、順番にカードを閲覧できます。
1枚では伝えきれない情報を、複数のカードに分けて届けられる点が特徴です。この記事では、主要媒体の入稿仕様を比較し、媒体ごとの特徴と制作時の注意点を、各社の公式ヘルプに沿って整理します。
カルーセル広告とは
カルーセル広告は、複数のカードを1つの広告としてまとめ、スワイプで切り替えて見せるフォーマットです。各カードに画像や動画、見出し、リンクを設定できます。
カードごとにリンク先を分けられるか、動画を混ぜられるか、順番を固定できるかは、媒体によって扱いが異なります。仕様の違いを押さえてから制作に入ると、入稿時のやり直しを減らせます。
対応媒体と仕様比較
主要媒体のカルーセル仕様を、公式ヘルプで確認できた確定値のみ整理します。数値の単位はカードの枚数、画像サイズ、文字数です。
| 媒体 | カード枚数 | 主な画像サイズ | カードごとの個別リンク |
|---|---|---|---|
| Meta | 2〜10枚 | 1:1(推奨1080×1080px、中確度) | 可能 |
| LINE | 最大10枚 | 1080×1080px | 可能 |
| X | 2〜6枚 | 800×418px(1.91:1)/800×800px(1:1) | 可能(最大6つのURL) |
| TikTok | 最小2〜最大35枚(表示上限20枚) | 横1200×628/正方形640×640/縦720×1280px | 標準は不可(全カード共通URL) |
| Google デマンドジェネレーション | 2〜10枚 | 1:1(推奨1200×1200px) | ー |
Metaの推奨画像サイズは複数の解説で1080×1080pxとされていますが、公式ヘルプ本文はログインが必要なため、本記事では中確度の情報として扱います。
| 媒体 | テキストの主な上限 | 動画の可否 | 音楽 |
|---|---|---|---|
| Meta | Instagramフィードではカードごとの見出し・説明が表示されない場合あり(中確度) | 画像と動画の混在が可能(比率統一・中確度) | ー |
| LINE | タイトル20文字/ディスクリプション40文字 | ー | ー |
| X | 見出し最大70文字(50文字超は省略の可能性) | 画像または動画(比率統一) | ー |
| TikTok | ー | 画像を並べるフォーマット | 音楽が必須(2秒以上・ループ再生) |
| Google デマンドジェネレーション | ー | 画像カルーセル | ー |
Yahoo!広告(YDA)でもカルーセルは提供されていますが、本記事の執筆時点で公式ヘルプの一次情報を確認できていません。枚数や文字数などの仕様は、LINEヤフー for Businessの公式ヘルプで最新の値を確認してください。
媒体ごとの特徴と注意点
仕様の数値だけでは見えない、運用に効く特徴を媒体ごとに整理します。いずれも公式ヘルプで確認できた挙動です。
Meta:成果の良いカードを自動で先頭に
Metaには、成果の良いカードを自動的に先頭に表示する最適化オプションがあります。反応の取れるカードから見せられる一方で、順番に意味を持たせた構成では意図がずれます。
ストーリー型や手順の説明では、この最適化をオフにする選択も検討します。設定名や挙動は変わる場合があるため、最新の管理画面で確認してください。
TikTok:音楽が必須で、リンクは原則共通
TikTokのカルーセルは、2秒以上でループ再生される音楽が必須です。BGMなしでは入稿できない点が、他媒体と大きく異なります。
標準のカルーセルは、全カード共通の1つのリンク先に遷移します。カードごとに個別のリンクを設定できるのは、商品カタログと連動するVSA(動画ショッピング広告)に限られます。
LINE:カードごとにリンク先を設定できる
LINE広告のカルーセルは、カードごとにリンク先URLを個別に設定できます。画像サイズは1080×1080pxのみで、タイトルは20文字、ディスクリプションは40文字が上限です。
複数の商品やページへ、1つの広告から振り分けたい場合に向いています。
Google デマンドジェネレーション:1枚否認でも配信は継続
Googleのデマンドジェネレーションでは、カルーセル内の1枚が審査で否認されても、他のカードは配信が継続されます。広告全体が止まらない仕組みです。
アスペクト比はカード全体でそろえる必要があり、1.91:1/1:1/4:5から選びます。正方形のロゴが必須で、ファイルサイズの上限は5MBです。
カルーセルが向くケース
カルーセルは、複数のカードを使える点が強みです。次のような目的では、単一画像より情報を整理して伝えやすくなります。
- 複数の商品やプランを、1つの広告で並べて見せたい
- 使い方や申し込みの手順を、順番に説明したい
- ビフォーアフターや事例を、対比で見せたい
- ブランドのストーリーを、複数の場面で展開したい
- 1つの商品を、複数の角度や特徴カットで見せたい
逆に、伝えたい訴求が1つに絞れる場合は、単一画像のほうがメッセージが際立ちます。目的に応じて使い分け、実際の配信結果で比べるのが確実です。
なお、「カルーセルは単一画像よりクリック率が高い」といった一般化した数値は、出典が特定できないため本記事では扱いません。効果は商材や媒体、クリエイティブによって変わります。
制作時の注意
カルーセルは複数のカードで構成するため、単一画像とは違う設計の勘所があります。制作前に次の点を確認します。
とくに1枚目のカードは重要です。最初に表示され、次のカードへスワイプさせるかどうかを左右します。結論や主役の商品は、先頭に置くことを基本にします。
アスペクト比は、原則として全カードでそろえます。MetaやXで画像と動画を混在させる場合も、比率は統一する必要があります。
順番に意味を持たせるストーリー型では、自動最適化の設定を確認します。カードが並べ替えられると、意図した流れが崩れる恐れがあります。
制作前のチェックリストは次の通りです。
- 1枚目に、結論や主役を配置しているか
- カードの順番に、意図した流れがあるか
- 全カードのアスペクト比がそろっているか
- 出稿する媒体の枚数・文字数・サイズの上限を守っているか
- カードごとの個別リンクが必要な場合、媒体が対応しているか
- TikTokに出す場合、音楽(2秒以上・ループ)を用意したか
まとめ
カルーセル広告は、複数のカードをスワイプで見せるフォーマットです。複数の商品を並べる、手順を説明する、ストーリーで魅せるといった目的に向いています。
枚数や画像サイズ、個別リンクの可否、動画や音楽の扱いは媒体ごとに異なります。TikTokの音楽必須や、Metaの自動最適化のように、運用に効く特徴を押さえておくことが大切です。
仕様は変更されることがあります。入稿前には、各媒体の公式ヘルプと管理画面で最新の値を確認してください。1枚目の設計と比率の統一を基本に、目的に合ったフォーマットを選びましょう。