Meta広告に「クリエイティブの多様化」の指標が追加へ|サムネイルの類似度で「低・中・高」が付く

この記事でわかること

Metaが2026年8月中旬から、広告マネージャに「クリエイティブの多様化」の指標を順次追加しています。ヘルプによると、判定は広告セット内のサムネイルの類似度から算出されます。フォーマットを何種類そろえても評価は上がりません。同じ訴求の量産が同じユーザー層の奪い合いになる仕組みと、列が見つからない場合の代替手段まで整理します。

生成AIによる要約

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Metaが2026年8月中旬から、広告マネージャに新しい指標を順次追加しています。日本語のヘルプでは「クリエイティブの多様化」、英語では「Creative Diversity」です。広告セットまたはアカウントIDの単位で、「低・中・高」の3段階が付きます。

開発中の指標のため、アカウントによってはまだ列が表示されません。日本語のヘルプページは公開されています。

Search Engine Landが8月26日と9月2日に、この指標をめぐる2本の寄稿を掲載しました。いずれも実務者による分析記事です。

読むと、一見矛盾する主張が並びます。バリエーションを増やせという話と、増やしすぎると同じユーザー層を奪い合うという話です。この2つは矛盾しません。多様性が枚数ではなく訴求角度で決まる、と理解すれば整理がつきます。

何が追加されたか|判定はサムネイルの類似度で決まる

広告マネージャの「列のカスタマイズ」から追加できます。検索窓に creative と入れると1件だけ出ます。英語版の列名は「Creative diversity」、日本語のヘルプでは「クリエイティブの多様化」です。

Meta広告マネージャの「Customize columns」画面。検索窓に creative と入力すると1件だけ「Creative diversity」がヒットし、チェックが入っている。
「列のカスタマイズ」で creative と検索すると1件だけ出る(出典: Search Engine Land)

評価の単位は、広告セットまたはアカウントIDです。広告セット単位だけではありません。

計算方法もヘルプに明記されています。

クリエイティブの多様性は、広告セット内の画像や動画のサムネイルを比較し、類似性を判断することで計算されます。この値はスコアに変換され、しきい値を適用して「高」、「中」、「低」のラベルが付けられます。

つまり、見ているのはサムネイルの見た目です。フォーマットの種類数でも、訴求の数でもありません。ここが後述する誤解の元になります。

重要な注記もあります。ヘルプは冒頭で「この指標は推定値、開発中です」と述べ、末尾でも「この指標は開発中のものです」と繰り返しています。確定した評価軸ではありません。判定を鵜呑みにして構成を大きく変える段階ではないと考えます。

Meta広告マネージャの「Creative diversity」列。行の値はいずれも Low。列名にカーソルを合わせると「Creative diversity indicates how visually varied an ad set's images and videos are from each other.」という説明と、「This metric is estimated and in development.」という注記が表示されている。
列に表示される説明にも「estimated and in development」と明記されている(出典: Search Engine Land)

なお、この指標はMeta Ads MCPのフィールドカタログには存在しません(2026年9月3日時点)。APIから引くのではなく、管理画面の列として確認する形になります。

Metaが「量」を戒めている根拠

多様性より先に、量そのものへの警告がMeta公式に存在します。ビジネスヘルプセンターの「広告の量の管理について」です。

同時に多すぎる広告を配信すると、1本あたりの配信機会が減ります。学習フェーズを抜けられる広告が減り、配信システムが最適化する前に予算を使い切ります。結果として成果が悪化する、という説明です。

そのうえで、ベストプラクティスとして次が挙げられています。

広告セットあたりの広告数を減らし、ただし広告セット内のクリエイティブアセットの多様性は維持する

ここが今回の話の起点です。Metaの軸はあくまで学習フェーズの効率で、新指標が見ている見た目の類似度とは別の観点です。ただし結論は同じ方向を向いています。減らして、中身を散らす、という形です。

多様性の2軸|フォーマットとメッセージ

では多様性とは何を指すのか。Meta側の説明が日本語で読めるものがあります。Facebook Japanの髙橋直也氏(エージェンシーパートナー)の発言です。2025年12月公開のCyberAgent Wayの記事です。

軸は2つと説明されています。

1つ目はフォーマットの多様化です。動画か静止画か、スクエア(1対1)か全画面(9対16)か、という違いです。

2つ目はメッセージの多様化です。同じ商品でも、機能性を訴求するか、価格の得を推すか、情緒的なブランドストーリーを語るか、という違いです。

髙橋氏は次のようにも述べています。

AIといえども手持ちのクリエイティブが少なければ、最適なマッチングはできません

逆に、フォーマットやメッセージの切り口を無限に用意できれば、AIは「別のアプローチ」と認識し、これまで届かなかったユーザー層まで探しにいきます

AIが「別のアプローチ」と認識するかどうかが分かれ目です。枚数を増やしても、AIから見て同じアプローチなら意味がありません。

落とし穴|同じ訴求を10本作ると、同じ層を奪い合う

Search Engine Landの9月2日の記事は、この点を掘り下げています。著者はSingle Throw MarketingのHeather Brousell氏です。

同じピッチを10本のクリエイティブで繰り返すと、Metaは1つの指示が10回来たものとして扱う、という指摘です。結果として10本が同じユーザー層を奪い合い、その層だけが早く疲れます。他の層には届きません。

同じ枚数でも、届く範囲は変わる同じ訴求を10本訴求A × 10本(写真・動画・UGC)層11つの層に配信が集中フリークエンシーだけ上がる3つの訴求で各3本訴求A・B・C × 各3本層1層2層3層ごとに別の入口ができるリーチが伸びる配信ロジックの図解は実務者の解釈に基づくもので、Metaが公表した仕様ではありません

この配信ロジックの説明は、Meta公式の技術仕様ではありません。著者の実務経験に基づく解釈です。ただし、そこから導かれる点検方法は実用的です。

配信中の広告をコアメッセージでグループ化し、同じメッセージが3本以上あれば統合を検討する、という手順が示されています。判定の基準もわかりやすいものです。2本の広告の冒頭を入れ替えても成立するなら、その2本は同じ訴求角度だ、という見方です。

判定が「低」だったときに見る順番

8月26日の記事の著者、Akvile DeFazio氏は自身のクライアントアカウントで検証しています。静止画、動画、UGC、パートナーシップ広告、カルーセルまで併用しているアカウントです。それがいずれも「低」と判定されたと報告しています。

ここから同氏は、この指標がフォーマットの数ではなく見た目の類似度を見ているのではないか、と推測しています。

この推測は正しいものでした。前述のとおり、Metaのヘルプには「サムネイルを比較し、類似性を判断する」と明記されています。フォーマットを何種類そろえても、サムネイルが似ていれば評価は上がりません。

裏を返せば、この指標だけを追いかけると訴求の多様性を見落とします。サムネイルの色や構図を散らせばスコアは動きますが、それは届く層を増やすこととは別の話です。

判定が「低」でも、成果が出ているなら急いで作り替える必要はありません。指標自体が開発中であることを踏まえ、次の順番で確認するのが現実的です。

  1. リーチとフリークエンシーを並べる: フリークエンシーだけ上がり、リーチが伸びていないなら、配信が同じ層に偏っているサインです
  2. 配信中の広告を訴求で仕分ける: フォーマットではなくメッセージで分類し、同じ訴求が何本あるかを数えます
  3. 新規クリエイティブの立ち上がりを見る: 追加した広告がすぐ既存と同水準に落ちるなら、AIから見て新しい入口になっていない可能性があります
  4. 統合を検討する: 同じ訴求が3本以上あるなら、本数を減らして訴求の種類を増やす方向に振ります

なお、クリエイティブ疲弊の兆候そのものについては、広告クリエイティブ戦略の基礎で扱っています。指標としきい値を使った判断は、そちらを参照してください。

列が見つからない場合は、[配信]列を見る

英語版の管理画面では列が確認できています。一方、日本語のヘルプは公開されているのに、実際のアカウントで列が見つからないという報告があります。開発中の指標なので、提供範囲が限られている可能性があります。

探す場合は、「列のカスタマイズ」の検索窓に creative と入れてください。列名で目視で探すより速く、無ければ提供対象外だと判断できます。

その場合でも、広告疲れの検知そのものは別の機能で確認できます。ヘルプ「広告疲れに関するMeta広告マネージャでの推奨事項について」に記載があります。

同じ広告が繰り返し見られていると判断されると、広告セットまたは広告の[配信]列にステータスが出ます。表示は2種類です。

結果の単価が過去の広告より高いものの2倍には至らない場合は、[過少クリエイティブ]と出ます。2倍以上になった場合は、[広告疲れ]と出ます。しきい値がはっきりしている点で、こちらのほうが判断に使いやすい指標です。

キャンペーン開始前にも警告が出ます。開始後7日以内に広告疲れが発生すると予測された場合、公開前に表示されます。

なお、この機能はクリエイティブを1件だけ使っている広告セットでのみ利用できます。Advantage+ カタログ広告、ダイナミッククリエイティブ、Advantage+ アプリキャンペーンは対象外です。

表記についても1点補足します。日本語ヘルプは記事の見出しが「クリエイティブの多様化」、本文が「クリエイティブの多様性」「クリエイティブ多様性スコア」と揺れています。管理画面の列名がどちらになるかは、実物を見て確認してください。

まとめ

項目内容
追加時期2026年8月中旬
場所広告マネージャの「列のカスタマイズ」
単位と評価広告セットまたはアカウントIDの単位で「低・中・高」の3段階
計算方法広告セット内の画像・動画のサムネイルを比較し、類似性から算出
Metaの注記「この指標は推定値、開発中です」
多様性の軸フォーマット(動画・静止画・比率)とメッセージ(訴求の切り口)
Meta公式の関連見解広告数は減らし、広告セット内のアセットの多様性は維持する
実務者の指摘同じ訴求の量産は同一層の奪い合いになり、フリークエンシーだけが上がる
列が出ない場合[配信]列の[過少クリエイティブ](単価が2倍未満)と[広告疲れ](2倍以上)で代替できる
日本語の表記ヘルプの見出しは「クリエイティブの多様化」。本文では「多様性」と揺れる

まず試すべき1アクション: 配信中の広告を一覧にして、フォーマットではなく訴求の切り口で仕分けてください。同じ訴求が3本以上ある広告セットが、まず手をつける対象になります。

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ryottaman

ryottaman

広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。

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