Google広告の動画の「エンゲージメント」が10秒基準に|インストリームは5秒から変更、EVCとは条件がずれる

この記事でわかること

Google広告ヘルプの「エンゲージメントのレポートについて」が改訂され、動画広告のエンゲージメントは10秒以上の視聴が基準になりました。インストリーム広告は5秒から10秒へ。日本語版ヘルプにも反映済みです。新旧の定義、変更時期について分かっていること、エンゲージビューコンバージョンとの条件の違い、レポートで注意する点を整理します。

生成AIによる要約

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Google広告ヘルプの「エンゲージメントのレポートについて」が改訂されました。動画広告のエンゲージメントは、10秒以上の視聴が基準になっています。とくにインストリーム広告は、以前の版では5秒以上の視聴で数えると書かれていました。

改訂はPPC News Feedが2026年10月10日に報じました。日本語版のヘルプにも、同じ内容がすでに反映されています。本記事では新旧の定義を並べ、レポートを読むときに注意する点を整理します。

何が変わったのか|フォーマットごとの定義が細かくなった

以前の版は、動画広告の条件をおおまかに3行で書いていました。改訂後は、フォーマットごとに条件を分けて書いています。旧定義は2026年3月15日時点の英語版アーカイブ、新定義は2026年10月10日時点の日本語版ヘルプから整理しました。

フォーマット旧定義(2026年3月時点)新定義(現在)
インストリーム広告「動画広告」として5秒以上の視聴(10秒未満の広告は全体を視聴)10秒以上の視聴(10秒未満の広告は全体を視聴)、またはクリック
アプリ訴求動画広告10秒以上の視聴(10秒未満の広告は全体を視聴)、またはクリック変更なし(インストリーム広告と同じ項目にまとめられた)
インフィード動画広告ミュート状態で10秒の視聴、またはクリックして動画全体を視聴変更なし(「10秒以上」「サムネイルをクリック」と表記が細かくなった)
マストヘッド広告個別の記載なしミュート状態で10秒以上の視聴、またはクリックして動画全体を視聴
YouTube ショート広告個別の記載なし10秒以上の視聴(10秒未満の広告は全体を視聴)、または行動を促すフレーズのボタンをクリック
バンパー広告とスキップ不可のインストリーム広告注記で「クリックに基づく」と記載広告のクリック(注記から独立した項目へ)
ライトボックス広告・Gmail 広告広告を開く変更なし

実質的に基準が厳しくなったのは、インストリーム広告です。旧版の「動画広告」の行は5秒以上の視聴でしたが、新版では10秒以上になりました。一方でクリックも条件に加わっています。

インフィード動画広告とアプリ訴求動画広告は、旧版の時点ですでに10秒でした。この2つは中身が変わっていません。マストヘッド広告とショート広告は、旧版に個別の記載がありませんでした。そのため、旧版で何秒が適用されていたかはヘルプからは判断できません。

エンゲージメントとして数える視聴の条件(新旧)旧(2026年3月時点)新(現在)インストリーム5秒以上10秒以上 またはクリックインフィード10秒(ミュート)10秒以上(変更なし)アプリ訴求10秒以上10秒以上(変更なし)マストヘッド・ショート個別の記載なし10秒以上と明記バンパー・スキップ不可クリックのみ(注記)クリックのみ(変更なし)出典: Google 広告 ヘルプ「エンゲージメントのレポートについて」の現行版と2026年3月15日のアーカイブ

いつから変わったのか|ヘルプに日付の記載はない

改訂の日付と、新しい定義の適用開始日は、ヘルプに書かれていません。過去のデータを新しい定義で集計し直すかどうかも、記載がありません。

アーカイブで確認できた範囲では、2026年3月15日の英語版は旧定義でした。2026年5月14日のハンガリー語版も旧定義のままでした。ただし翻訳版は英語版より更新が遅れることがあるため、確実に言えるのは「2026年3月15日より後」までです。2026年10月10日の時点では、英語版と日本語版の両方が新定義になっています。それ以上の時期は絞り込めていません。

運用メモ 管理画面の数値がいつから新しい定義で集計されているかは、公式には分かりません。変更の時期を推測で決めつけず、レポートには「定義の改訂あり(時期は非公表)」と注記しておくのが安全です。

対象になる指標|エンゲージメント、エンゲージメント率、平均 CPE

今回の定義は、掲載結果の表にある次の3つの指標の前提になります。ヘルプでの説明は次のとおりです。

指標ヘルプでの説明
エンゲージメントユーザーが広告を操作すること
エンゲージメント率ユーザーが広告を操作した回数を、広告が表示された回数(インプレッション数)で割った値
平均 CPE1回の広告操作に対して支払う平均額

列が表示されていない場合は、表示項目アイコンから[掲載結果]を開き、[エンゲージメント]を選びます。[掲載結果]が見当たらないときは、虫メガネアイコンから「エンゲージメント」で検索できます。

エンゲージメントの条件が厳しくなると、分子が減る方向に働きます。表示回数が同じなら、エンゲージメント率は下がりやすくなります。平均 CPE は1回あたりの金額なので、同じ広告費なら上がりやすくなります。

エンゲージビューコンバージョンとは条件がずれる

注意したいのは、同じ「エンゲージ」という言葉を使うエンゲージビューコンバージョン(EVC)との関係です。EVCの条件は、ヘルプの別ページ「エンゲージ ビュー コンバージョンについて」で定義されています。2026年10月10日時点で、こちらの条件は変わっていません。

フォーマットエンゲージメント(指標)エンゲージビューコンバージョン
インストリーム広告(スキップ可能)10秒以上の視聴、またはクリック10秒以上の視聴
インフィード動画広告ミュート状態で10秒以上の視聴、またはサムネイルのクリック5秒以上の視聴
YouTube ショート広告10秒以上の視聴、またはボタンのクリック5秒以上の視聴、またはボタンのクリック

インストリーム広告は、どちらも10秒で揃いました。一方でインフィード動画広告とショート広告は、EVCが5秒、エンゲージメントが10秒です。5秒以上10秒未満の視聴は、EVCの対象にはなっても、エンゲージメントには数えられません。

ショート広告・インフィード動画広告の視聴秒数と2つの条件0秒5秒10秒EVC対象外条件を満たす(5秒以上)エンゲージメント数えない数える(10秒以上)5〜10秒は条件が分かれるクリック(ボタン・サムネイル)による条件は省略。出典: Google 広告 ヘルプの各ページ(2026年10月10日時点)

この違いは、エンゲージメント率と、EVCを含むコンバージョンを並べて見るときに影響します。たとえば「エンゲージメント率は下がったのに、EVCは減っていない」という動きが出たとします。2つの条件が違う以上、これは矛盾とは限りません。EVCの条件や計測期間はエンゲージビューコンバージョンとは|計上条件とビュースルーとの違いで整理しています。

なお、YouTubeの公開の「再生回数」も2026年8月に定義が変わっています。こちらはYouTube側の指標で、今回のGoogle広告のエンゲージメントとは別の話です。詳しくはYouTubeの「再生回数」が8月24日から定義変更へをご覧ください。

レポートで注意したい3つの点

1. 期間をまたぐ比較では数字の減り方を割り引いて読む

改訂の前後をまたいで比べると、インストリーム広告のエンゲージメントは減って見える可能性があります。PPC News Feedも、期間比較では定義の違いを考慮するよう注意を促しています。前年同月比や前月比で動画のエンゲージメント率を報告している場合は、注記を添えておくと誤解を防げます。

2. フォーマットが混在するキャンペーンは内訳で見る

影響を受けるのは主にインストリーム広告です。インフィード動画広告とアプリ訴求動画広告は、旧版でも10秒でした。複数のフォーマットに配信しているキャンペーンでは、合計の数字だけを見ると変化の理由が分かりにくくなります。フォーマットごとに広告グループや広告を分けている場合は、その単位で比べると、どこが動いたのかが分かります。

3. 社内の基準値やKPIを見直す

エンゲージメント率や平均 CPE に目標値を置いている場合、その基準は旧定義の数字から作られている可能性があります。改訂後の数字が下回っても、配信の質が落ちたとは限りません。新しい定義での実績が数週間たまってから、基準値を引き直すのが妥当です。

まとめ

項目内容
変わったこと動画広告のエンゲージメントが10秒以上の視聴を基準に。インストリーム広告は5秒から10秒へ
変わらないものインフィード動画広告・アプリ訴求動画広告(以前から10秒)、バンパー広告とスキップ不可の広告(クリックのみ)
日本での反映日本語版ヘルプに反映済み(2026年10月10日時点)
変更時期ヘルプに記載なし。2026年3月と5月のアーカイブは旧定義
過去データ集計し直すかどうかの記載なし
影響する指標エンゲージメント、エンゲージメント率、平均 CPE
EVCとの関係EVCの条件は変わらず。インフィード・ショートはEVCが5秒、エンゲージメントが10秒

まず試すべき1アクション

動画キャンペーンの掲載結果の表に[エンゲージメント率]を出し、広告グループや広告の単位で直近数か月の推移を見てください。インストリーム広告の広告だけ率が下がっている時期があれば、それが定義の改訂の影響を受け始めた目安になります。そのうえで、定例レポートに「エンゲージメントの定義改訂あり」の注記を入れておきましょう。

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ryottaman

ryottaman

広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。

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