UCPとは|Merchant CenterのUCP統合ハブとAIモードの購入手続きを解説【入門】

この記事でわかること

GoogleのUniversal Commerce Protocol(UCP)の仕組み、AIモードとGeminiでの購入手続き、Merchant CenterのUCP統合ハブの流れ、提供地域と条件を整理します。日本の運用者がいま備えられることもまとめます。

生成AIによる要約

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Universal Commerce Protocol(UCP)は、Googleが主導するエージェント型コマースの規格です。AIエージェントが、商品の購入までを仲介できるようにします。2026年1月に発表され、Merchant Centerにも専用の「UCP 統合ハブ」が用意されました。

ただし、2026年10月時点で使えるのは米国の一部の販売者だけです。この記事では、UCPで何が起きるのか、Merchant Centerで何をするのかを整理します。そのうえで、日本の運用者がいま備えられることをまとめます。

UCPとは

UCPは、Universal Commerce Protocolの略です。Googleのヘルプでは、エージェント型コマース向けの新しいオープン スタンダードと説明されています。エージェントとシステムが、コマースの仕組み全体で連携できるようにするものです。

対象は購入の手続きだけではありません。商品の発見から購入、購入後のサポートまでの流れ全体を扱います。AIエージェント、販売者のシステム、決済事業者が同じ言葉でやり取りするための取り決めと考えると分かりやすいです。

Googleは2026年1月11日にUCPを発表しました。発表時点で、共同開発にはShopify、Etsy、Wayfair、Target、Walmartが参加し、ほかに20社以上が賛同していました。仕様はucp.devでオープンソースとして公開されています。

AIモードとGeminiで何が起きるか

販売者がUCPに対応すると、Google検索のAIモードとGeminiで、対象の商品に購入手続きのボタンが表示されます。購入者はGoogleの画面から離れずに、Google Payで支払えます。支払い方法と配送先は、Google ウォレットに保存された情報を使います。

これまでの購入手続きのボタンとの違いは、取引が行われる場所です。従来は、ボタンを押すと販売者のサイトに移り、そこで購入します。UCPの購入手続きでは、Googleの画面の中で購入が完了します。

従来の購入手続きボタンGoogleで商品を見る検索・ショッピング販売者のサイトへ移動カート・会員登録・入力販売者のサイトで購入決済も販売者のサイトUCPのネイティブ購入手続きAIモード・Geminiで相談商品に購入ボタンが出るGoogleの画面のままGoogle Payで購入注文は販売者のシステムがAPIで受け取る(販売の当事者は販売者のまま)

Googleの画面で買われても、販売の当事者は販売者のままです。英語のヘルプでは「merchant of record」と書かれています。注文データと顧客との関係は販売者が持ち、購入には販売者の利用規約が適用されます。

購入ボタンが出るのは、特定の属性を設定した商品だけです。ヘルプでは native_commerce(checkout_eligibility)属性と書かれています。UCPに対応すれば、すべての商品に自動でボタンが付くわけではありません。

2026年3月に追加された機能

Googleは2026年3月19日に、UCPの機能追加を発表しました。主な追加は次の3つです。

機能内容
カート1つのストアの複数の商品を、エージェントがまとめてカートに入れられる
カタログエージェントが販売者のカタログから、価格や在庫、バリエーションを取得できる
IDのリンクログインした購入者に、会員特典やポイントなどを提供できる

同じ発表で、Merchant Centerからのオンボーディングを簡単にすることも予告されました。これが、次に説明するUCP 統合ハブです。

Merchant CenterのUCP 統合ハブでやること

UCP 統合ハブは、Merchant CenterからUCPの機能を選び、接続を検証し、本番に進むための画面です。開発者向けガイドでは、「Settings」>「UCP integration」にあると案内されています。日本ではまだ提供されていないため、日本語の画面表記は確認できていません。

ハブで選べる機能は3つです。

  • 販売者サイトへのカートの転送:Googleでカートに入れた商品を、販売者のサイトに引き継いで購入してもらう。販売者はカートのAPIを実装する
  • Google でのネイティブ購入手続き:Googleの画面の中で購入を完了させる。購入手続きの作成、更新、完了を扱う3つのAPIを実装する
  • ID のリンク:OAuth 2.0で購入者のアカウントを結び付け、会員特典を使えるようにする。ネイティブ購入手続きを選んだときだけ使える

カートの転送は、ネイティブ購入手続きより準備が少ない経路です。開発者向けガイドでは、この経路なら商品フィードの完全な設定、商品の警告への対応、カスタマーサポート情報は必須ではないとされています。

参加までの流れ

参加は申請制です。ヘルプと開発者向けガイドに書かれている流れは、次のとおりです。

  1. UCPのデベロッパーガイドに沿って、技術的な実装を済ませる(オンボーディングの前に必要)
  2. 参加希望のフォームを送る
  3. Googleに選ばれると通知が届き、Merchant CenterのUCP 統合ハブが使えるようになる
  4. サンドボックス(テスト環境)で、UCPプロファイル、カートの転送、ネイティブ購入手続きのAPIを検証する
  5. 本番環境で機能を選び、UCPプロファイルを公開して、機能ごとの検証を完了する
  6. Googleのサポートチームが審査する

UCPプロファイルは、販売者が対応している機能や接続先を書いた設定ファイルです。販売者のサイトの /.well-known/ucp に置きます。AIエージェントはここを読み、どの機能が使えるかを判断します。

検証の途中で、フィードの属性、返品、アカウント設定に直すべき点があれば、Merchant Centerから通知されます。本番で使い始めたあとは、ハブの「Analytics」タブで成果を確認できます。購入ボタンのクリック数、購入数、購入率、平均注文額、キャンセル数などです。

提供地域と条件

2026年10月時点の提供状況は次のとおりです。

項目内容
提供地域米国で段階的に展開中。オーストラリアとカナダは2027年初めの予定
日本提供時期の発表なし
参加方法申請制。フォームを送り、Googleに選ばれた販売者から
表示される場所Google検索のAIモードとGemini
支払い方法Google ウォレットに保存されたカード(Google Pay)
利用規約購入手続きの追加条項は米国のみに適用

いまのヘルプでは、米国の次はオーストラリアとカナダと書かれています。日本で使えるようになる時期は、現時点では読めません。

日本の運用者がいま備えられること

ここからは筆者の見立てです。日本では当面、UCPの実装を急ぐ必要はないと考えます。そのうえで、次の準備は無駄になりません。

Merchant Centerの商品データを整える

公式ヘルプは、データを充実させて最新に保つことを最善の準備としています。対象は商品フィードからブランドアセットまでです。UCPが日本に来ても、Merchant Centerの商品データは引き続き重要になると考えます。

価格、在庫、送料、返品ポリシーを正確にしておくことは、ショッピング広告の成果にも役立ちます。属性の埋め方は「Merchant Centerフィード最適化ガイド」で詳しく解説しています。

返品ポリシーと事業者情報を登録しておく

UCPの検証では、返品やアカウント設定に不足があると通知されます。Merchant Centerの返品ポリシーと事業者情報が未登録なら、いまのうちに整えておくとよいです。

ECプラットフォームの対応予定を確認する

Shopifyなどのプラットフォームを使っている場合は、その事業者の対応を待つのが現実的です。公式ヘルプも、プラットフォームを使っている販売者には、事業者へ直接確認するよう案内しています。

計測の考え方を整理しておく

Googleの画面の中で購入が完了すると、購入者は販売者のサイトを通りません。サイトのタグで購入を計測している場合、この注文はサイトの計測に出てこない可能性があります。日本で始まったときに慌てないよう、注文データを基幹側で確認できる体制にしておくと安心です。

まとめ

UCPは、AIエージェントが商品の発見から購入までを仲介するための共通規格です。対応した販売者の商品には、AIモードとGeminiで購入ボタンが表示され、Googleの画面の中で購入が完了します。

Merchant CenterのUCP 統合ハブは、その接続を設定し、検証するための画面です。2026年10月時点では米国の一部の販売者だけが対象で、日本の提供時期は発表されていません。日本の運用者がいまできる準備としては、Merchant Centerのデータを整えることが有効と考えます。商品データ、返品ポリシー、事業者情報の3つを見直しておきましょう。

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ryottaman

ryottaman

広告代理店で17年、現在は事業会社でインハウスマーケティングを担当しています。

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