動的検索広告は、Googleがサイトの内容をクロールし、ユーザーの検索語との関連性でターゲティングと見出しを自動生成する検索広告です。英語では Dynamic Search Ads で、DSAと略されます。
このDSAは、AI Max for Searchへの統合が予定されています。この記事では、DSAの仕組みと制御できる範囲、そして移行スケジュールと準備を、Google広告の公式情報に沿って整理します。
動的検索広告(DSA)とは
通常の検索広告は、運用者が登録したキーワードと見出しをもとに配信します。DSAはこの流れが異なります。Googleがサイトをクロールし、検索語との関連性でターゲティングを判断します。
見出しは、ランディングページの内容、主にtitleタグから動的に生成されます。最終ページURLも自動で選ばれます。一方で、説明文は運用者が手動で作成する必要があります。
キーワードの登録漏れを補い、サイトの網羅的なカバーに向く点が特徴です。
ターゲティングの4方式
DSAのターゲティングは、どのページを配信対象にするかを指定する設定です。方式は4種類あります。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| 個別URL指定(URL_Equals) | 特定のURLと完全一致するページを対象にする |
| URL_Contains | 指定した文字列を含むURLのページを対象にする |
| カテゴリ | Googleがサイトを分析して自動生成したカテゴリを対象にする |
| ページフィード | 対象URLをまとめたフィードを指定する(カスタムラベル最大20個) |
ページフィードは、対象にしたいURLを一覧で管理する方式です。カスタムラベルを最大20個まで付与でき、アカウントあたり最大100フィードまで登録できます。
運用者が制御できること・できないこと
DSAは自動化の範囲が広いため、どこを制御できるかを押さえておくことが運用の起点になります。
| 区分 | 項目 |
|---|---|
| 制御できる | 説明文の作成 |
| 制御できる | 除外キーワードの設定 |
| 制御できる | 入札戦略の選択 |
| 自動化される | 見出しの生成(LPの内容から) |
| 自動化される | 最終ページURLの選択 |
| 自動化される | 検索語とのマッチング |
制御できる範囲は、説明文、除外キーワード、入札戦略の3つに整理できます。見出しやマッチングの精度は、ランディングページの内容が土台になります。
このため、DSAの成果はページの品質や情報量に左右されます。運用の改善は、除外キーワードの整理とページ側の情報整備が中心になります。
向くケース・向かないケース
DSAは、サイトの構造や更新頻度によって向き不向きがあります。導入前に、自社のサイトがどちらに近いかを確認しておきましょう。
向くケース
- コンテンツが充実し、テキスト情報が豊富なサイトである
- 商品数やページ数が多く、キーワード登録が追いつかない規模である
- ページの内容が安定しており、頻繁には変わらない
向かないケース
- 日替わりセールなどで、ページの内容が頻繁に変わる
- テキスト情報が少なく、画像中心のサイトである
- 掲載期間の短いページが多く、URLの入れ替わりが激しい
AI Maxへの移行スケジュール
DSAは、AI Max for Searchへの統合が予定されています。当初は2026年9月の自動移行予定でしたが、その後スケジュールが延期されました。時系列は次の通りです。
2026年4月に、GoogleはDSAのAI Max for Searchへの統合を発表しました。当初は2026年9月の自動移行予定でした。その後、2026年6月11日に延期が発表されています。
延期後のスケジュールでは、新規のDSA作成は2027年1月まで可能です。新規作成の受付は、6月15日に再開されています。既存DSAの自動移行は、2027年2月から順次始まる予定です。
移行時の挙動も公表されています。既存DSAは、RSAが生成され審査を通過するまで稼働を続けます。新しいRSAが有効になると、旧DSAは自動的に一時停止されます。
AI Max側では、DSAの主要な機能が引き継がれます。サイトベースのターゲティングはsearch term matchingに対応します。動的な見出し生成はtext customization、最終URLの自動選択はfinal URL expansionです。
ただし、除外キーワードやページフィードなど個別設定の1対1の対応関係は、公式には示されていません。移行後は、設定内容を個別に確認する前提で臨むのが安全です。
移行に向けた準備
移行はスケジュールが決まっているため、慌てて対応するより、今の運用のうちに設定を整えておくのが現実的です。準備の観点を整理します。
- 除外キーワードを棚卸しし、不要な配信を止める設定を整理する
- 説明文を見直し、RSAの見出し候補として使える文言を用意する
- ページフィードの対象URLを整理し、古いURLや重複を除く
- 現在のDSAの成果を記録し、移行前後の比較基準を持っておく
- 入札戦略と目標値(目標CPA・ROAS)が現状に合っているか確認する
- ACAやキャンペーンレベルの部分一致を使う既存キャンペーンを洗い出す
除外キーワードや入札戦略の考え方は、AI Maxにも引き継げます。移行を「設定のやり直し」ではなく「これまでの整理を活かす機会」と捉えると、着手しやすくなります。
とくに最後の観点は重要です。ACAや部分一致を使うキャンペーンは先行移行の対象のため、該当有無を早めに確認しておきましょう。
まとめ
動的検索広告は、サイトのクロールに基づき、ターゲティングと見出しを自動生成する検索広告です。説明文の作成、除外キーワード、入札戦略が運用者の制御できる範囲になります。
このDSAは、AI Max for Searchへの統合が予定されています。新規作成は2027年1月まで、自動移行は2027年2月からが現行のスケジュールです。ACAや部分一致を使う一部の既存キャンペーンは、2026年9月からの先行移行の対象です。
仕組みと制御範囲を理解し、除外設定や入札の整理を進めておくことが、移行をスムーズに進める備えになります。