· 7分で読める

広告バナー改善のBefore/After事例集|よくある失敗パターンと直し方

目次閉じる開く

「言われてみれば分かるけれど、自分で作ると同じ失敗を繰り返してしまう」。バナーの改善では、こうした経験を持つ運用者が少なくありません。

デザインの原則は、頭で理解することと、自分の手を動かして再現できることの間に距離があります。その距離を縮める近道が、失敗例と改善例を並べて見比べることです。

この記事は、SIGNALZのバナーデザインシリーズで扱ってきた配色・タイポグラフィ・レイアウト・情報設計の知識を、架空バナーの「よくある失敗→改善」5事例で総復習する保存版です。各事例で図解のBefore/Afterを見比べ、末尾のチェックリストを配信前の確認に使ってください。

Before/Afterで学ぶ意味

デザインの原則は、単体で読んでも記憶に残りにくいものです。「コントラストを確保する」と言われても、どの程度が不足でどの程度が十分かは、実物を見比べないと判断しにくいためです。

Before/Afterで学ぶ利点は、次の3つに整理できます。

利点内容
基準が分かる「悪い」と「良い」の境界線を具体的な見た目で把握できる
自分のバナーと照合できる手元の制作物がどちらに近いか判定しやすくなる
直し方が分かる「何を変えたか」まで示すことで、次の制作に再現できる

以降の5事例は、いずれも架空の商材で作成した模式図です。実際のバナーは商材やターゲットによって最適解が変わりますが、失敗のパターン自体は多くの案件で共通しています。自分が担当するバナーに近い事例があれば、そこから読み進めてください。

事例1:文字が読めない(コントラスト不足)

もっとも多い失敗が、背景と文字の明度差が不足し、読めないバナーになってしまうケースです。作り手は画面上で見慣れているため気づきにくく、初見のユーザーには致命的な失敗になります。

改善前夏の新作コレクション詳しく見る× 白地に薄いベージュ文字(約1.6:1)改善後夏の新作コレクション詳しく見る○ 紺地に白文字・独立したアクセントCTA

改善前は、見出し・本文・CTAのすべてが背景と近い明るさの色で作られています。単体では上品に見えても、実際の配信面では文字が背景に沈み、内容がまったく伝わりません。

改善後は、見出し部分に濃い紺の帯を敷いて白抜き文字にし、CTAには独立したアクセントカラーを使っています。変更点は次の2つです。

  • 文字色と背景色の明度差を確保した(通常テキストはコントラスト比4.5:1以上が目安)
  • CTAの背景色を、周囲と混じらない独立したアクセントカラーに変更した

コントラストの考え方は 広告バナーの配色の基礎ガイド で詳しく解説しています。

事例2:情報を詰め込みすぎ

伝えたいことが多いほど、すべてを盛り込みたくなります。しかし要素が増えるほど1つあたりの面積は小さくなり、結果としてどれも伝わらないバナーになります。

改善前期間限定送料無料会員様限定商品A商品B秋の新作フェア開催中会員登録今すぐ購入× 要素12個、主役が定まらない改善後期間限定秋の新作 30%OFF商品ビジュアル今すぐ購入○ 要素4個、主役が一目で分かる

改善前は、バッジ3種・商品画像2点・見出し・説明文3行・CTAボタン2種と、要素が12個も並んでいます。1画面に情報を詰め込むほど、視線はどこにも定まりません。

改善後は、伝えたいメッセージを「秋の新作30%OFF」の1点に絞り、要素を4個まで削っています。変更点は次のとおりです。

  • 一番伝えたい情報(オファー内容)以外を削り、主役を1つに決めた
  • CTAを1種類に統一し、行動の選択肢を絞った

何を残し何を削るかの判断基準は 広告バナーの情報設計ガイド で解説しています。

事例3:CTAが埋もれている

CTA(行動喚起ボタン)は、バナーの中でもっとも重要な要素です。しかし他の要素に埋もれ、存在に気づかれないまま配信されているケースが多く見られます。

改善前今だけ特別価格申込む× 背景と同化し、隅に小さく配置改善後今だけ特別価格今すぐ申し込む○ アクセント色・十分な大きさ・下部中央

改善前のCTAは、背景の紺と近い色で作られ、サイズも小さく、右上の隅に置かれています。存在自体に気づかれない配置です。

改善後は、背景から独立したアクセントカラーを使い、サイズを大きくし、視線が最後に到達しやすい下部中央に配置しています。変更点は次の3つです。

  • CTAの背景色を、バナー内で唯一のアクセントカラーに変更した
  • ボタンのサイズを、指で押しやすい大きさまで拡大した
  • 配置を、視線が流れ着きやすい下部中央に変更した

アクセントカラーの使い方は 広告バナーの配色の基礎ガイド 、視線の流れを踏まえた配置は 広告バナーのレイアウトと視線誘導ガイド で解説しています。

事例4:フォントがバラバラ・サイズが均一

文字まわりの失敗は2つが同時に起きがちです。1つは書体の混在、もう1つはサイズの差(ジャンプ率)がなく、すべての文字が同じ重みに見えてしまうことです。

改善前セール開催中対象商品 最大50%OFF期間:7/9-7/31詳しく見る× 書体混在・全行ほぼ同サイズ改善後セール開催中対象商品 最大50%OFF期間:7/9-7/31詳しく見る○ 書体を統一・見出しだけ大きく

改善前は、見出しに欧文フォント風の斜体、本文にゴシック体、日付に等幅フォントと、3つの書体が混在しています。しかもすべて同じくらいの大きさで並んでいるため、どこが見出しなのか判断できません。

改善後は、書体を1系統に統一したうえで、見出しだけを大きく強調しています。本文や補足情報は小さいままにし、メリハリ(ジャンプ率)をつけています。変更点は次の2つです。

  • 使用する書体(フォントファミリー)を1〜2種類に統一した
  • 見出しと本文のサイズ差を広げ、優先順位を視覚化した

書体選びとジャンプ率の考え方は 広告バナーのタイポグラフィガイド で詳しく解説しています。

事例5:要素がバラバラで視線が迷う

個々のテキストや画像は問題なくても、配置がそろっていないと、全体として雑然とした印象になります。ユーザーの視線はどこから読み始めればよいか分からず、離脱の原因になります。

改善前新生活応援キャンペーンNEW対象商品が最大40%OFF見る× 余白不均一・要素が傾き整列していない改善後新生活応援キャンペーン対象商品が最大40%OFF商品ビジュアル詳しく見る○ 左端をそろえ、余白を均等に配置

改善前は、見出しやバッジがわずかに傾き、画像の左端もそろっていません。1つ1つは小さなズレでも、積み重なるとバナー全体が雑然として見えます。

改善後は、テキストと画像の左端をすべて同じ位置にそろえ、見出しと説明文の間隔を近く、画像との間隔をやや広く取って、関連する要素をグループとして認識しやすくしています。変更点は次の2つです。

  • すべての要素の左端をそろえ、傾きをなくした
  • 関連する要素同士の余白を狭く、そうでない要素同士の余白を広く調整した(近接の原則)

整列とグルーピングの詳しい考え方は 広告バナーのレイアウトと視線誘導ガイド で解説しています。

運用メモ 5つの失敗は、単独ではなく複数が同時に起きていることがよくあります。1つのバナーを見直すときは、この記事の事例1から5まで順番に照らし合わせると、見落としを防ぎやすくなります。

まとめと配信前チェックリスト

5つの事例に共通するのは、いずれも「足す」ではなく「削る・そろえる・差をつける」という引き算の発想で改善している点です。要点を整理します。

事例症状改善の要点
コントラスト不足文字が背景に沈み読めない背景と文字の明度差を確保する
情報の詰め込み主役が定まらない伝えることを1つに絞り、要素を減らす
CTAの埋没行動を促せないアクセントカラー・十分なサイズ・視線の到達点に配置する
書体・サイズの不統一優先順位が伝わらない書体を統一し、サイズでメリハリをつける
要素の不整列視線が迷う端をそろえ、関連する要素をグループ化する

配信前には、次のチェックリストで自分のバナーを確認してください。1つでも当てはまれば、この記事の該当事例に戻って見直せます。

配信前のBefore/Afterチェックリスト

  • 文字と背景のコントラストは十分か(グレースケールでも読めるか)
  • 伝えたいメッセージは1つに絞れているか
  • CTAは一目で見つけられる色・大きさ・位置にあるか
  • 書体は1〜2種類に統一され、見出しと本文でサイズ差がついているか
  • 要素の端はそろい、関連する要素同士が近接しているか

デザインの原則は、知っているだけでは成果に結びつきません。今回の5事例を手元のバナーと照らし合わせ、当てはまるものから直していくことが、もっとも確実な改善の進め方です。

関連記事

この記事をAIと深掘りする

要約・疑問の解消に。記事のタイトル・URLを入れた質問文が自動で入力されます。

| 共有 はてブ

SIGNALZ メルマガ

厳選した実践ナレッジを週1回お届けします。

SIGNALZ

SIGNALZ

運用型広告の実務経験をもとに、体系的なナレッジを発信しています。

SIGNALZの記事はAIを活用して作成し、10年以上の運用型広告の実務経験をもとに内容を確認・監修しています。制作方針の詳細はサイトについてをご覧ください。

この記事について感想やご質問を送れます

誤りの指摘、補足情報、ご質問など、お気軽にどうぞ。