広告審査の基本
運用型広告は、入稿後に各媒体による審査を経てから配信が開始されます。審査では広告文、画像・動画、ランディングページの内容がポリシーに適合しているかがチェックされます。
審査に落ちた広告は「不承認」のステータスとなり、配信されません。不承認の理由を確認し、修正して再度審査に出す必要があります。
審査はAIによる自動審査と人間による手動審査の組み合わせで行われます。自動審査は数分〜数時間で完了しますが、手動審査は1〜3営業日かかるケースがあります。
よくある審査落ちの原因
審査落ちの原因は大きく「広告文」「ランディングページ」「画像・動画」の3カテゴリに分類できます。
広告文に関する問題
記号の不正使用:感嘆符の連続(!!)、記号の装飾的使用(★、◆の多用)、全角記号の不適切な使用は審査落ちの原因になります。Google広告では見出しに感嘆符を使用できません。
最上級表現・誇大表現:「業界No.1」「日本最安値」「絶対に効果がある」などの根拠のない最上級表現は各媒体で禁止されています。第三者機関による調査結果など客観的な根拠がある場合は、その出典を明記することで使用可能な場合があります。
商標の不正使用:他社の商標をキーワードとして使用することは多くの場合許可されていますが、広告文中に他社の商標を記載することは制限されるケースがあります。
不適切な表現:差別的、暴力的、性的な表現は禁止されています。意図せずこれらに該当する表現を使ってしまうケースもあるため、注意が必要です。
ランディングページに関する問題
リンク切れ・エラーページ:広告のリンク先が404エラーやサーバーエラーを返す場合、審査に落ちます。サイトのメンテナンス中に審査が行われるとこの問題が発生します。
SSL非対応:HTTPSに対応していないランディングページは、多くの媒体で不承認の対象です。
コンテンツの不一致:広告文で訴求している内容とランディングページの内容が大きく異なる場合、審査落ちの原因になります。
ポップアップ・リダイレクト:ランディングページで過剰なポップアップが表示される、または別のページに自動リダイレクトされる場合は審査に落ちることがあります。
画像・動画に関する問題
テキスト過多:Meta広告では、画像内のテキスト面積が大きすぎると配信が制限される場合があります。かつては「20%ルール」として厳格に適用されていましたが、現在は自動的にリーチが制限される仕組みに変更されています。
前後の比較画像:ダイエットや美容関連で「ビフォーアフター」の比較画像を使用する場合、媒体によっては禁止または制限されています。
個人の属性への言及:Meta広告では、ユーザーの個人的な属性(人種、宗教、性的指向、健康状態など)に直接言及する広告は禁止されています。
運用メモ 審査落ちの理由が「ポリシーに抵触する表現」である場合、その表現を単に言い換えるだけでは不十分なケースがあります。広告で訴求しようとしている内容自体がポリシーで制限されている場合は、訴求の方向性を変える必要があります。
媒体別の審査特性と対処法
審査基準や対処の流れは媒体ごとに異なります。それぞれの特性を押さえておきましょう。
Google広告
審査速度:通常1営業日以内。自動審査は数時間で完了するケースが多いです。
確認方法:管理画面の「広告とアセット」タブで、各広告のステータスを確認します。不承認の広告にカーソルを合わせると、具体的なポリシー違反の理由が表示されます。
再審査の手順:
- 不承認の理由を確認する
- 広告文またはランディングページを修正する
- 修正した広告を保存する(保存すると自動的に再審査が開始される)
- 再審査に納得がいかない場合は、ポリシー違反の詳細画面から「再審査をリクエスト」を選択する
Google広告固有の注意点:
- レスポンシブ検索広告では、個々のアセット(見出し・説明文)単位で不承認になることがあります。不承認のアセットだけを修正・削除すれば、広告全体の配信は可能です
- 動的検索広告(DSA)では、ランディングページの内容が自動的に広告に反映されるため、サイト内のポリシー違反コンテンツが原因で審査落ちすることがあります
Meta広告
審査速度:通常24時間以内。ただし、新規アカウントや過去に違反歴のあるアカウントは審査が長引く傾向があります。
確認方法:広告マネージャの「配信」列で「却下」と表示されます。広告をクリックすると詳細な理由を確認できます。また「アカウントの品質」画面でアカウント全体の状況を把握できます。
再審査の手順:
- 広告マネージャで却下された広告の詳細を確認する
- 広告を修正して再送信する、または修正せずに異議申し立てを行う
- 異議申し立ては「アカウントの品質」画面から行える
Meta広告固有の注意点:
- 特別な広告カテゴリ(住宅、雇用、信用)に該当する広告は、追加の制限が適用されます
- 個人の属性に言及する広告文(「〇〇でお悩みのあなたへ」など)は却下されるケースがあります。2人称で特定の状態を指摘する表現を避けましょう
- 広告画像のテキスト量が多いと、不承認にはならなくてもリーチが制限される場合があります
Yahoo!広告
審査速度:通常3営業日以内。Google広告やMeta広告と比較して審査に時間がかかる傾向があります。
確認方法:管理画面の「審査状況」で確認できます。不承認の場合、審査結果の通知メールに理由が記載されます。
再審査の手順:
- 不承認理由を確認する
- 広告を修正して再入稿する
- 自動的に再審査が行われる
Yahoo!広告固有の注意点:
- 審査基準が他媒体と異なる部分があります。特に「最高」「最大」などの最上級表現は、Google広告では通る場合でもYahoo!広告では不承認になることがあります
- ランディングページ内の薬機法関連の表現について、Google広告より厳格にチェックされるケースがあります
- 審査担当者による手動審査の割合が比較的高いため、審査結果にばらつきが出ることがあります
業界別の注意事項
特定の業界では追加の規制や審査基準が適用されるため、一般的なポリシー以上の注意が必要です。
医療・ヘルスケア
薬機法に基づく表現規制が厳しく、「治る」「効く」「改善する」などの効能効果を示唆する表現は制限されています。医薬品、医療機器、健康食品それぞれで許容される表現が異なります。
体験談やビフォーアフターの使用にも制限があります。
金融・投資
金融商品取引法に基づき、リスクの説明なしに利益を示唆する表現は禁止されています。「必ず儲かる」「元本保証」などの表現は各媒体で不承認になります。
美容・ダイエット
景品表示法の優良誤認に該当する表現が多発する領域です。「〇〇するだけで-10kg」「塗るだけでシワが消える」などの効果を断定する表現は禁止されています。
アルコール・ギャンブル
年齢制限や地域制限が適用される広告カテゴリです。ターゲティング設定で対象年齢を適切に設定する必要があります。
審査落ちを防ぐための予防策
審査落ちは完全には防げませんが、入稿前のチェックで大部分は回避できます。
入稿前チェックリスト
- 広告文に記号の不正使用がないか
- 最上級表現・誇大表現を含んでいないか
- ランディングページがSSL対応しているか
- ランディングページが正常に表示されるか(リンク切れがないか)
- 画像内のテキスト量が適切か
- 特別な広告カテゴリに該当しないか
- 商標の使用に問題がないか
審査通過率を上げるコツ
入稿前に各媒体のポリシーページを確認する習慣をつけます。ポリシーは定期的に更新されるため、以前は通っていた表現が新しいポリシーで不承認になるケースもあります。
新しい訴求を試す際は、1つの広告でテスト入稿してから、審査通過を確認した上で他の広告にも展開するアプローチが安全です。