この記事でわかること
- 土曜昼に主力商品が欠品し、広告は配信されたまま注文を受けられない事態が起きました。
- フィードの在庫ステータス更新が日次だと、欠品から配信停止まで半日以上の空きが生まれます。
- 需要期の前に在庫担当者と連携し、商品選定時に供給安定度を設計に組み込むことが対策になります。
生成AIによる要約
金曜の夕方、管理画面が過去いちばんきれいなグラフを描いていました。ROASは目標の倍、CVRも跳ねています。僕は少し得意になって、週末に向けて入札を強めました。
月曜の朝、クライアントから電話が来ました。「土曜の昼に主力商品が欠品しました」。広告は動いていたのに、注文を受けられない状態が半日ほど続いていたそうです。フィードは前日のまま、在庫ステータスは「在庫あり」でした。
いちばん売れる週に、いちばん売りたい商品を売れなかった。あのときの気持ちを、今でも思い出します。広告の巧拙以前に、僕は在庫という前提を見ていませんでした。
在庫は広告の外にあるのに、成果には内側から効く
在庫計画は、たいてい広告運用者の管轄外です。仕入れも、倉庫も、入荷の見込みも、別の部署や別の会社が握っています。
だから僕らは、つい在庫を「与えられた条件」として扱います。配信の話は入札とクリエイティブとターゲティングに寄っていきます。
でも成果の分母は在庫です。どれだけCVRを磨いても、モノがなければ成果はゼロで止まります。広告の外にある変数が、成果には内側から効いてくる。ここを軽く見ると、あの月曜のような事故が起きます。
需要期ほど、この落差は大きくなります。売れる週は在庫の減りも速いからです。攻めるほど、欠品のリスクは上がっていきます。
フィードの在庫ステータスは、更新頻度で意味が変わる
ショッピング広告の場合、Merchant Centerのavailability属性が配信の入口を握っています。in_stockかout_of_stockかで、その商品が出るかどうかが変わります。
問題は、この値がいつ更新されるかです。日次のバッチ更新だと、在庫が切れてから配信が止まるまでに半日以上の空きが生まれます。あの土曜は、この空きにはまりました。
対策の方向は二つあります。ひとつはフィードの更新頻度を上げること。もうひとつは在庫と広告をより速く同期させる仕組みを使うことです。
Merchant Centerには、在庫の変動を速く反映するための仕組みが用意されています。定期的なフィード更新に加えて、価格や在庫を差分で送る方法があります。詳しい要件は変わりやすいので、着手前に公式ヘルプで最新を確認してください。
検索広告やダイナミック広告でも考え方は同じです。フィードに紐づく配信は、フィードの鮮度がそのまま成果の鮮度になります。在庫ステータスを、広告の設定と同じ解像度で見る必要があります。
欠品したら、逃がし先と再開の強さを事前に決める
欠品を止めるだけでは半分です。止めた分の予算をどこへ動かすか、そこまで決めて初めて損失が減ります。
僕がまず考えるのは、代替になる在庫です。同じカテゴリで在庫が潤沢な商品や、上位モデル・下位モデルがあれば、そちらへ配信を寄せます。買いたい気持ちがある人を、別の答えで受け止める発想です。
次に、キャンペーン構造の設計です。欠品しやすい主力商品を単独のキャンペーンに切り出しておくと、止めたときの影響が読みやすくなります。ひとつの箱に混ぜていると、止めた瞬間に何が起きたか分からなくなります。
逃がし先を事前に決めておくことが肝心です。欠品してから代替を探すと、判断が遅れます。「この商品が切れたら、次はこれ」という対応を、需要期の前に決めておくと動きが速くなります。ここでひとつ注意したい罠があります。数字だけを見て逃がすと、粗利の薄い商品へ予算が流れることがあります。売れやすさと利益は別物です。逃がし先は、利益も見て選ぶべきだと思います。
欠品が解消しても、すぐ全開に戻すのが正解とは限りません。入荷の量と時期を知らないまま再開すると、また同じ穴に落ちます。僕が知りたいのは三つです。いつ入るのか。何個入るのか。それは今の売れ行きで何日もつのか。この三つが分かると、再開の強さを決められます。
少量しか入らないなら、入札は控えめに戻します。潤沢に入るなら、需要が残っているうちに一気に戻します。同じ「再開」でも、判断は在庫の量で変わります。ここは事実と判断を分けて考えたいところです。入荷予定は事実、再開の強さは僕の判断です。事実を取りに行かずに判断だけ急ぐと、勘の勝負になってしまいます。
そもそも、在庫を確保できない商品に広告を寄せない
いちばん効いたのは、事後の対応よりも設計の見直しでした。欠品を繰り返す商品に、そもそも大きく寄せないという判断です。
売れる商品ほど寄せたくなります。でも、供給が安定しない商品に予算を集めると、需要期に必ず事故が起きます。売れることと、売り切れることは違います。
だから今は、商品を選ぶ段階で在庫の安定度を見ます。供給が読める商品を配信の軸に据え、読めない商品は補助的に扱います。攻めの前に、崩れにくさを設計する感覚です。
これは在庫という前提を、広告の設計に取り込む話でもあります。広告の外にある変数を、内側の判断材料へ変えていく。あの月曜以降、僕はこの順番を大事にしています。
情報は、いつ誰に取りに行くかで決まる
結局のところ、在庫は僕の管轄外です。だから最後は段取りの話に落ちます。いつ、誰に、何を聞くか。ここが決まっていないと、事故は繰り返します。
僕が今やっているのは、需要期の二週間前に一度、在庫の担当者と話す時間を取ることです。主力商品の在庫見込みと、入荷の予定を聞きます。ついでに、欠品しそうな商品の優先順位も確認します。
需要期に入ってからは、更新頻度を上げます。数字が動く時期は、在庫も速く動くからです。日次の在庫報告を共有してもらえるだけで、配信の判断は驚くほど楽になります。
聞きに行くのは僕の仕事だと思っています。相手は広告の事情を知りません。だから、いつ何が欲しいかは、こちらから設計して伝える必要があります。
明日、あなたの主力商品の在庫は、あと何日分ありますか。その数字を誰に聞けばいいか、すぐ言えますか。言えないなら、今週のうちにその人と一度話しておくことをおすすめします。
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